精油ってなに? ~アロマセラピストがアロマオイルの種類を徹底解説!~

December 12, 2020

こんにちはEarth Giftです。

これまでアロマ界に関することを色々と話してきていますが、そもそも精油って何?という根本的なことは、ブログで触れてきたことはなかったと思います。今日は、俗にアロマオイルと呼ばれるものの代表である、精油を始め、エッセンス、アブソリュートやCO2エクストラクトの解説もしていきたいと思います。


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アロマオイルと精油は何が違うのか

アロマを勉強している方にとって、精油やエッセンシャルオイルと呼ばれるものの定義は当たり前に持っている知識ですが、そうでなければ精油もアロマオイルも同じように扱われ、精油と香水の違いだって知られていないことの方が実際多いと思います。ですので、まずはその違いを話していきたいと思います。

アロマオイルという言葉について

アロマオイルという呼び名は英語圏では使用されず、おそらく和製英語として日本で呼ばれている名前ですね。精油には、ISOで規定された明確な定義がありますので、本来他の呼び名はしない、と考えるのが妥当です。

この“アロマオイル”という言葉ですが、英単語ではaroma = 芳香、oil = 油 といった感じで何となく意味は伝わりますが、aroma oilと表記すると英文法的にも名詞が並んでいて、これでも悪くはないのですが、aromaには形容詞がありますので、使うならaromatic oilの方が文法的には正しいですね。

もし、英語圏で“aroma oil”と言っても、精油(エッセンシャルオイル)とは理解されず、何か別の、特定の油と捉えられそうです。

例えば、英語圏でも〜ミルクという言葉があります。チョコレートミルク、ソイミルク、ココナッツミルクなどがあると思いますが、そんな感じで、食用や商業用油のカテゴリーの、更に細かい特定の油、という感じに思われそうですね。(例えが分かりにくい。。^^;)

“アロマオイル” という単語には明確な定義は存在しませんが、これは人によって違った認識があると思っています。

私なら、アロマオイル=雑貨屋さんや100円ショップで売られる小さなボトルに入っている色とりどりの人工香料、を思い浮かべます。

ですが、なんとなくアロマセラピーには興味があって、精油も使ったことがある程度の方なら、精油=アロマオイル、と認識しているかもしれません。また、アロマセラピーという単語を聞いたことがある程度の人は、精油という単語すら知らず、アロマオイルみたいなの使うんでしょ〜?っていう返事が来るかも知れませんね。

再々ですが、アロマ界では、精油をアロマオイルとは認識しません。ただ、多くの方がアロマオイル=精油、と認識しているので、プロのアロマセラピストでも、アロマオイルという名称を使っていることは多いです。

私はアロマを学んだ当初は、絶対にアロマオイルなんて呼ばないぞ!って思っていたのですが、誰かに教える、という立場になったときに、その方の認識や目線に合わせて教える、ということが何よりも大切だと感じました。

私は今後も、アロマが広まって欲しいと思っているので、色んな方に教えるとなった場合、この“アロマオイル”という言葉が一般認識として広まってしまっている以上、それを使うことは悪くないのかも知れませんね^^

精油はアロマオイルではないよ

ただ、せっかくこのブログを見てくださっている皆さんには、正式には、精油(エッセンシャルオイル)はアロマオイルとは呼ばれないよ、ということを知っておいてほしいな、と思います。

“アロマオイル”は英語圏では使用されない和製英語であって、おそらくたまたま誰かが、精油と言っても理解できないからアロマオイルという言葉を使ったのが流行ってしまった、のかもしれません。今後、色んなアロマセラピストの方に出会うと思いますし、中にはアロマオイルとは絶対に呼ばないでください!という熱意のあるセラピストの方もいらっしゃると思います。ここでは、それが何故か?というのを学んでいってくださいね。


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植物学から見た精油のはなし

では、精油とアロマオイルが違うことが分かったところで、精油とはそもそも何なのか、ちょっとだけ植物学に触れながら深ぼって見ていきましょう。

そもそも精油の定義ってなに?

これは、私が愛用しているアロマ本の一つ、カート・シュナーベルト氏のAdvanced Aromatherapyで紹介されていた、ISO(国際標準化機構)の精油に関する一節です。

An essential oil is a product made by distillation which either water or steam or by mechanical processing of citrus rinds or by dry distillation of natural materials. Following the distillation, the essential oil is physically separated from the water phase.

Advanced Aromatherapy by Kurt Schnaubelt P11.

ISOは皆さんご存知の、商品の標準化をするために定義を定めている世界的に有名な機関ですね。要約すると精油とは、

蒸気または水中の蒸留を経る物質、もしくは機械プロセスによる柑橘の皮の物質、または乾留法で抽出される自然の物質

精油は物理的に水溶性物質を切り離されなければならない

既にアロマを学んでいる方なら簡単に思いますが、初心者の頃に聞いてもまだ、何だそれは??ってなりますね。

これは大きく3つのことを言っています。

精油が作られるには、蒸留法、機械プロセス(主に圧搾法というもの)、乾留法、のいずれかで抽出されなければならない。

機械プロセスで抽出されるのは柑橘の皮のみ、乾留法で抽出されるのは自然な物質でなければならない。

蒸留法で抽出されたものは水溶性の物質とは物理的に切り離されなければならない。

といった感じです。これで少しは分かりやすいでしょうか?^^;

柑橘系の精油は、他の植物のように蒸留法ではなく、コールドプレスや圧搾法という方法で抽出されるのですね。蒸留法は、水中に植物を漬け込む方法と、蒸気だけで蒸留する方法の2種類あります。乾留法は熱分解を利用する抽出方法です。蒸留法を行うと、最終的に水溶性成分と油溶性成分の2つに分かれるのですが、精油はその油溶性の成分を、水溶性から切り離したものだよ、という説明になっています。

私がアロマを協会で学んだ当時は、精油とは、芳香植物を蒸留などのプロセスで成分に化学変化を起こさせ、その油溶成分抽出したもの。芳香植物は薬効があるもの。といったことを教えられました。それ以降、色んな先生のクラスや書物で確かめてみても、それぞれ多少の違いはありますが、どれもISOの定義と同じです。

補足

さて、精油の定義はなんとなく分かったかと思います。私がこれまでアロマ界を見てきて、精油の定義に関してちょっと補足したいことをまとめます。

精油のほとんどは蒸留法で抽出される
厳密には柑橘系の精油はエッセンスと呼ぶ
アブソリュートやCO2エクストラクトも精油と呼ぶこともある

定義上は、乾留法とか機械プロセスなどの馴染みのない言葉ばかり出てきますが、精油の90%は蒸留法で抽出されると思って良いと思います。機械プロセスの殆どがコールドプレスという方法で、これは柑橘の系の精油を抽出する方法ですので、他の植物の精油には使われません。乾留法は特別な方法で、セラピー向きではないものが多く、あまり無いと思って大丈夫です。

あとから説明しますが、コールドプレスから抽出された柑橘系の精油は、厳密にはエッセンスと呼びます。柑橘系の精油の中には、蒸留法で抽出されるものもあるのですが、それはコールドプレスとはまたちょっと違った成分です。薬理効果を考えたときに、コールドプレスで抽出したエッセンスの方が効果的であることから、そちらが主流になっています。

また、精油とは別に考えられているアブソリュートやCO2エクストラクト(次の章で説明)ですが、場合によっては精油と一括りにしていることもあります。アブソリュートでしか抽出されないものとして、ジャスミンアブソリュートがありますね。

あとはバニラオイルなどは、CO2エクストラクトや抽出油でしか生産されないので、それらは先程の精油の定義に当てはまらないため、本来精油とは呼びません。ですが、これも最初のアロマオイル理論と同じで、分かりやすいので精油と呼ぶ、という現象はアメリカのアロマ界ではあったりします。この呼び名に関しては、前回のアマゾンの偽和精油の記事でも書きましたが、ロバート・パパスは厳しく見ていますね^^


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精油の種類

では最後に、先程登場した言葉である、エッセンス、アブソリュート、CO2エクストラクトについて、精油の定義と照らし合わせながら見ていきましょう。

● エッセンス
● アブソリュート
● CO2エクストラクト

エッセンス

アロマ界でよく使われる柑橘系の精油のほとんどが、厳密にはエッセンスと呼びます。エッセンスとは、芳香植物の成分そのものを取り出したもの、なんですね。ちょっとややこしいですが、蒸留法で抽出された精油は、蒸留の過程で、芳香植物に加わる熱や圧力のために、成分に化学変化が起こります。そうして抽出された成分は、もともと自然界にあった成分とは違うのですね。

このエッセンスというのは、本来自然の状態で存在していた成分をそのまま抜き出して集めたものなので、コールドプレスのように熱が加わらずに、成分に化学変化を起こさない場合は、これに該当します。ですが、先程のISOの定義には、このコールドプレスで抽出された柑橘のエッセンスは精油である、と明記されていますので、エッセンスであろうと正式に精油と呼んで良い、ということなのですね。

ちなみに、アメリカのアロマ界では、今でも時々これに関する議論もあったりするんですよ。昔は精油とエッセンスは別物、と考えて教えられていましたので、昔の教科書には別ものとして表記されているなんてこともあったりします。

アブソリュート

アブソリュートは、抽出方法がアブソリュート法などで抽出されたものを言います。これは完全に精油とは分けられて考えられていますね。アブソリュート法とは、有機溶剤、つまり石油系の成分であるヘキサンなどに芳香植物を漬け込み、芳香成分を染み出させ、ヘキサンを取り除き、芳香成分だけを抽出する、という方法です。蒸留法が使うことが難しい、ジャスミンやローズのような繊細な植物から成分を抽出するときに使う方法ですね。

実は、アブソリュートには他の抽出方法もあり、例えば、マセレーションや、アンフルラージュがあります。これらは別名、油脂吸着法と言ったりします。その名の通り、油脂に芳香植物を漬け込み成分を抽出する方法なのですが、その際にガラス板に一枚一枚丁寧に芳香植物を敷き詰め、時間を掛けて成分を油脂に吸着させます。吸着後はエタノール洗浄で芳香成分だけを取り出す、というものなんですね。

マセレーションは温めた油脂を使い、アンフルラージュは常温の油脂を使います。これは芳香植物の性質に合わせてその方法が選ばれるようですが、現在は油脂吸着法自体、コスパが悪いので使用されなくなっています。ですが個人的には、アロマの伝統は続いてほしいな、と思います。そもそも、アロマの世界って、植物の恵みを楽しむことなので、コスパが悪いというのは重要ではないんですよね。

ちなみに、油脂吸着法ですが、こちらのYoutubeで詳しく学べますので、ぜひ見てみてくださいね^^ 英語が分からなくても全く問題ないです。映像だけでも作っている楽しさが分かりますよ!

CO2エクストラクト

さて、最後はC02エクストラクトです。これは、超臨界二酸化炭素抽出法(英語ではCO2 Extraction)により、成分を抽出されたものをです。これは一昔前までは魔法のオイルなんても言われていたと思います。それほど、画期的な抽出方法だったんですね。この超臨界二酸化炭素抽出法とは、先程のアブソリュート法と考え方は似ていて、溶剤に芳香植物を漬け込んで芳香成分を取り出す、という論理は同じです。しかし、そのときに使う溶剤が、二酸化炭素、というわけです。

ですが、二酸化炭素は気体ですし、手に取れませんよね。そこで、臨界状態にすることで二酸化炭素が液化するのですね。その液化した二酸化炭素を溶剤として使用するのです。液化した溶剤に芳香成分が染み出し、臨界状態から通常に戻せば、溶剤である液化二酸化炭素は気体化し、跡形もなくなくなる、というとても素晴らしい抽出方法なのです。

主に、成分が大きいものを抽出するときに使われますね。近年医療用大麻のCBDオイルなんかが流行っていますが、その多くはこのCO2エクストラクトで抽出したものを、植物油で希釈して販売されます。今ではまだCO2エクストラクトは価格が高いものも多いと思いますが、いずれC02エクストラクトは蒸留法で採られた精油のように、主流になるのではと思っています。


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まとめ

いかがだったでしょうか?精油の呼び名について、何か学ぶことがあれば幸いです。また、今後もし精油とは何かと聞かれて誰かに教える際にも、この記事を参考にしてもらえたら嬉しいです。

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