基礎 知識

ココナッツオイルの違い【MCTオイル、分別蒸留、未精製の違いを徹底解説!】

January 3, 2021

今日はEarth Giftの尊敬するJade Shutesさんの記述を参考に、ココナッツオイルの違いについて話すよ。MCTオイルについて、そして未精製と分別蒸留のココナッツオイルも詳しく解説するよ!

こんにちはEarth Giftです。

近年、ココナッツオイルやMCTオイルが健康に良いと話題ですね。メンタリストDaiGoさんも、ココナッツオイルはスキンケアに良いと紹介されていますし、お医者さんYoutuberのDr.イシグロもMCTオイルを摂取すると良いよ、と話されていますよね。アロマ界でも、クラフト作りでは度々登場するココナッツオイルですが、中には分別蒸留ココナッツオイルなんてのもあるし、これらは何が違うの?と疑問に思う声も多いはずです。

実は以前、この話題について、はてなブログで既にお話しているのですが、今回は私の尊敬するJade Shutesさんの最近出した記事も参考にしながら、アップデートを兼ねまして、ココナッツオイルの違いとして、MCTオイル、そして未精製のココナッツオイルと、分別蒸留ココナッツオイルについて解説していきたいと思います。



そもそもココナッツオイルとは?

私は最近は、ココナッツオイルをアロマクラフトに使うことは少ないのですが、食べる目的では今でも家にいつも常備しています。あのココナッツの甘ーい香りは、思わず食べたくなるような美味しそうな香りを放ちます。実際に食べると何の味もしないんですけども。

日本でもそうかとは思いますが、アメリカの食料品マーケットで売られるココナッツオイルの多くは、取りやすいように口の広い瓶に入った真っ白いオイルで、これは常温でも個体になる性質を持っているためなんですね。

ココナッツオイルはどのように作られるの?

MCTオイルや分別蒸留ココナッツオイルを理解するには、未精製のココナッツオイルが何なのかを先に理解したほうが分かりやすいかなと思います。

未精製のココナッツオイルは、英語では、Unrefined Coconut Oilとか、Virgin Coconut Oilなんかで呼ばれていますね。頭文字だけ取って、VCOなんて表記もあったりします。これはココナッツの実の胚乳(白い部分)より、コールドプレス法で抽出されるものです。

ちなみにこの白い部分、見た目はキレイで美味しそうなんですが、食べるとすっごく硬いしココナッツの香りもほとんどしないんです。昔ネパール人の友人がおやつに食べていたので、一欠片頂いたんですが、不味くて捨ててしまった記憶があります^^;

コールドプレス法は、柑橘のエッセンス抽出にも使われる方法ですが、種から抽出されるキャリアオイルの多くも、このコールドプレス法で抽出されます。以前カナビスオイルの記事でも紹介しましたが、コールド(Cold = 冷たい)といっても、あくまで蒸留法よりも温度が低いってことなんですよ。だいたい50℃くらいで抽出されます。。(むしろ暑い)

こんな感じで自家製でも未精製ココナッツオイルがつくれるみたいです。

ミルクもオイルも美味しそう。。ブレンダーに掛けたココナッツを濾した後の液体は、ココナッツミルクとしても使えるんですよ。絶対買ったものよりも新鮮で健康に良いですよね。作り方は単純ですが、一人で作るより、2日間のアロマのイベントとかで、みんなで作ってみるのは楽しそうですね!

さて、余談ばかりでしたが、未精製ココナッツオイルは常温(だいたい23度以下)でも白く固まると言いましたが、それは未精製ココナッツオイルに含まれる脂肪酸の種類の性質によるものです。この作り方を見て分かるように、未精製ココナッツオイルはココナッツの持つ全ての脂肪酸が含まれた、栄養価の高いココナッツオイルなのです。

ココナッツオイルの栄養素

では、栄養価の高いと言われるココナッツオイルには、どんな栄養素が入っているのかも見てみましょう。以下はアメリカのDOA(農務省)で提示している大さじ1杯のココナッツオイルの栄養成分表ですが:

●カロリー 121
● タンパク質 0g
● 脂質 13.5g
● 飽和脂肪酸 11.2g
● 炭水化物 0g
● 食物繊維 0g
● 糖質 0g

脂肪しかないやん!?と思われる方、そうなんです。ココナッツオイルにはビタミンやミネラル、当然タンパク質なども一切含まれません。強いて言えば、極々微量のビタミンE(トコフェロール)は含まれるかも?の程度です。

じゃあココナッツオイルの何が良いの??って言ったときに、この含まれる脂肪の種類で、脂肪酸と言われるものなんですね。

脂肪酸とは、脂質を構成する重要な成分で、だいたい脂質の9割が脂肪酸なんだよ。脂肪酸の中には、健康へのベネフィットを持つものもあって、体内では作れないけど、体に必要な必須脂肪酸なんかも、この脂肪酸の仲間だよ!

ココナッツオイルの脂肪酸

未精製のココナッツオイルには、20種類以上の脂肪酸が含まれ、それぞれが違った性質を持ちます。先程、ココナッツオイルは常温で固まりやすいと言いましたが、オイルが固まりやすいかどうかを決める要素は脂肪酸の炭素数と飽和度です。

脂肪酸の飽和度の違いを示すのに、大きく分けて2種類あります。

● 飽和脂肪酸
● 不飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、バターなどの動物性脂肪に多く含まれています。パルミチン酸、ステアリン酸などがこの部類に入ります。飽和脂肪酸は一般的には、固まりやすく、酸化しにくい脂肪酸と言われています。

不飽和脂肪酸は、液体状で酸化しやすい特徴があり、植物性のオイルに多く含まれるものです。例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などは聞いたことがありますね。必須脂肪酸もこの種類です。不飽和脂肪酸は、化学構造的に二重結合部があり、酸化しやすい性質を持つのです。

そして、この炭素数というのは、脂肪酸がいくつの炭素から成っているか?ということで、要は脂肪酸の長さ(大きさ)とも言えます。一般に、この数が大きいほど固まりやすくはなりますが、それは飽和度次第で変わってきます。

● 短鎖脂肪酸… 炭素数6以下
● 中鎖脂肪酸… 炭素数7〜12以下
● 長鎖脂肪酸… 炭素数13以上

例えば、未精製ココナッツオイルに多く含まれる脂肪酸の1つである、カプリル酸は炭素数が8、これは中鎖脂肪酸の分類です。ミリスチン酸は14なので、長鎖脂肪酸に分けられます。短鎖脂肪酸は炭素数が6までのものを言います。

未精製のココナッツオイルに含まれる主な脂肪酸はこちら:

 〜飽和脂肪酸群〜
ラウリン酸(C12) … 40%以上
ミリスチン酸(C14) … 15%以上
パルミチン酸(C16)… 10%くらい
カプリル酸(C8) … 5〜10%くらい
カプリン酸(C10)… 5%くらい
ステアリン酸(C18) … 3%前後
カプロン酸(C6) … 0.5%くらい

〜不飽和脂肪酸群〜
 オレイン酸(C18:1) … 5%前後
 リノール酸(C18:2) … 1%前後

このラウリン酸なんですが、炭素数は12なんですが、わりと中鎖脂肪酸よりかは長鎖脂肪酸の仲間かな?という感じです。その理由は後ほど。こういった感じで、栄養価の高い脂肪酸が多く含まれているので、未精製のココナッツオイルは本当におすすめなんですよ。効果に関しては、長くなるのでまた別記事でお話しますね。



未精製のココナッツオイル、分別蒸留ココナッツオイル、MCTオイルの違い

では、未精製のココナッツオイルが何かが分かったところで、MCTオイルや分別蒸留ココナッツオイルは何なのか?という説明をしていきます。結論を言うと、この2つはほぼ同じだけど、ちょっと違うものです。未精製ココナッツオイルと比べると、この2つが何なのかが分かりやすいです。

MCTオイルは名前の通りそのままだという話

そもそもこのMCTが何なのかということですが、これはとある英語表記の頭文字を取ったものです。 Medium Chain Triglyceride(ミディアムチェーントライグリセリド)というのですが、これは日本語で中鎖脂肪酸

つまり、先程の未精製のココナッツオイルでも出てきました、中鎖脂肪酸の集まりがMCTオイルなのです。MCTオイル!と言うとかっこ良く聞こえるかも知れませんが、日本語では中鎖脂肪酸オイル!ということ。英語表記って知るとホント単純。。

そして分別蒸留ココナッツオイルは何かと言うと、これも中鎖脂肪酸の集まりなんですが、これは未精製ココナッツオイル100%から加水分解されたものです。分別蒸留ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸ですが、飽和脂肪酸の炭素数が少なめの脂肪酸、カプリル酸とカプリン酸がほとんどを占めています。(この2つ、英語表記だと似過ぎていて分からなくなる。。)

アロマ界で分別蒸留ココナッツオイルが長持ちするよ、と言われているのは、これはココナッツオイルの成分でも酸化しにくい飽和脂肪酸の集まりだから、なんですね。

MCTオイルの定義

実は、MCTオイルの明確な成分の定義はなく、中鎖脂肪酸の集まりなら何でもMCTオイルと呼べるんです。つまり、分別蒸留ココナッツオイルも、MCTオイルの一種、とも言えるですね。

ここで最も重要なことは、MCTオイルにラウリン酸は含まれない、ということ。ラウリン酸は先程、炭素数が12と言いましたよね。これは厳密には中鎖脂肪酸に分類されるはずなのですが、どちらかというと長鎖脂肪酸として扱われています。

これは私の憶測も入っていますが、色々調べてみて感じたのは、MCTオイルと分別蒸留ココナッツオイルが、なぜ2つ別の商品なのか?と考えたとき、おそらく作られた目的が違ったのかなと。

分別蒸留ココナッツオイルは、美容業界(アロマ界を含む)で酸化しにくい肌触りの軽いオイルを作る目的で作られた。一方でMCTオイルは、美容、医療、工業などの多くの業界で、ラウリン酸だけが必要とされることが多くなり、余った他の中鎖脂肪酸の使い道に困ったときに、中鎖脂肪酸の効果が発見され、それを商品として作られた、という感じなのかな、と思いました。ラウリン酸は化粧品にも多く使用されていますよね。

MCTオイルはどうやってできるの?

MCTオイルはどうやって作られるのか、ということですが、分別蒸留ココナッツオイルと同じく、加水分解されることが多いです。ただMCTオイルは、ココナッツオイルから作られることが多いものの、パーム油などの別のオイルも使われることがあるようです。

これは会社次第なので、正直、偽和精油の実態を知っている私達は、MCTオイルにも品質の差が大きいのではないか、と心配になりますよね。。

Jade Shutesさんの記事を読む限り、MCTオイルは商品によって成分のばらつきはあれど、多くは分別蒸留ココナッツオイルと同じ、カプリル酸とカプリン酸で成り立っていると仰っています。ですので、明らかに安いとか、怪しい会社から買わなければ問題ないのかもしれません。

では最後に数学っぽく式に表すと、未精製ココナッツオイル>MCTオイル≧分別蒸留ココナッツオイルということですね。(?)



ココナッツオイルも取り入れてみよう

いかがだったでしょうか?個人的には、やっぱり未精製のココナッツオイルが一番おすすめですね。なぜなら、精製されるということは、どう手を加えられているかは会社によって違うことや、ココナッツオイル本来の脂肪酸をふんだんに摂取できるのは、この未精製ココナッツオイルだからです。今度は、ココナッツオイルの効果やおすすめもご紹介していきたいと思います。

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