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アロマ界 研究・文献

2022/1/27

新型コロナウイルスに関するアロマセラピーのエビデンスをまとめてみた

パンデミックからもうすぐ一年が経つけど、コロナウイルスとアロマセラピーに関する研究って何かあるの?という方のために、コロナウイルスとアロマに関する研究、エビデンスを一挙まとめたので見てね。 こんにちはEarth Giftです。 新型コロナウイルスのパンデミックから一年が経ちますね。これまで色々有りましたが、今では世界中でワクチンの配布が進んでいますし、世界中で感染者数が減ってきているのは良いことかと思います。そんな中、自然療法界でも様々な情報が流れていますが、アロマ界ではどうなのか、気になる方も多いと思います。 そこで今日は、これまで私が目にしてきたコロナウイルスとアロマセラピーに関する文献や、アロマ界で有名な講師のブログなどを参考に、コロナウイルスとアロマに関するエビデンスをいくつかまとめてご紹介したいと思います。 記事でお話すること 1, コロナウイルスとアロマの文献やエビデンスについて ・コロナウイルスの感染のメカニズム ・アロマはどのような目的で研究に使われるのか? ・アロマとコロナウイルスのエビデンスの種類 2, エビデンス例 ・カルバクロールとACE2受容体阻害 ・1,8シネオールと3CLpro阻害 ・ニンニクの精油とACE2受容体と3CLpro阻害 ・カジェプトとACE2受容体と3CLpro(PDB6LU7タンパク質)阻害 ・β-ファルネセンと3CLpro阻害 ・レモンとゼラニウムのACE2発現とTMPRSS2阻害 3, まとめ コロナウイルスとアロマセラピーの文献やエビデンスについて 新型コロナウイルスとアロマに関して調べていると、たくさんのリサーチが見つかります。それらを解読するためには、まずコロナウイルスに関する知識も必要になってきますよね。そして、私たちアロマセラピストがそれらを見る時、どういったことに注意すべきか、ということも大切です。そこで今回のエビデンスを紹介する前に、前提として知っておいたほうが良いことをまずお話ししていきます。 ますは簡単に、アロマがどのような目的で研究に使われるのかが分かりやすいよう、コロナウイルスと感染の生物学についてご紹介します。生物学初心者の方にも、できるだけ分かりやすく解説していきます。 実は以前、新型コロナウイルスに関するNotesマガジンを作っていまして、ウイルスや免疫、アロマでできること、なんかは詳しくそこで解説しているのですが、今回ここでお話するのは、 コロナウイルスがどのように人に感染するのか?のピンポイントを深ぼって解説します。 コロナウイルスの感染のメカニズム ここで紹介する青字の単語は、今日文献を紹介するときにも出てくるので、できるだけインプットしてくださいね。 また、こちらの内容は、東京大学医科学研究所様の文献で、引用許可を頂いたものを参考にしております。詳しい内容はぜひこちらのページを御覧ください。 こちらをクリック 今回、パンデミックを起こした新型コロナウイルスの正式名称は、SARS-COV-2といって、アメリカではCOVID-19(コービット19)とも言われていますね。 この新型コロナウイルスは、エンベロープウイルスと言って、ウイルスの周りに薄ーい膜があるウイルスの種類なんですね。 この膜は、脂肪や糖タンパクなどからできていて、一般にこのエンベロープウイルスは、アルコールに弱いという特徴があったりします。エンベロープのないウイルスは、アルコールが効かないので厄介だ、なんて言われていますので、そういった意味では、今回のウイルスは、弱点がはっきりしていますし、消毒用のアルコールは家庭に必須アイテムですね。 さて、このコロナウイルスには、表面にトゲのようなものがあり、これをスパイク・タンパク(S蛋白)と言います。コロナウイルスが人間に感染する時、どこからでも侵入できるわけではなく、侵入に必要な経路があります。 その入口になるのが、ACE2受容体というところです。このACE2受容体は酵素の一つで、体中にあるのですが、その多くが鼻の粘膜、肺や腸、心臓、肝臓、血管などが多いようです。 このACE2受容体は、体質によって多い方とか、増えやすい(発現しやすい)方もいます。 ウイルスがこのACE2受容体と結合するとき、そこから侵入するために必要な酵素があります。それをタンパク分解酵素といいます。 このタンパク分解酵素には色んな種類があるのですが、そのうち今日ここで覚えてほしいのが、プロテアーゼというタンパク分解酵素です。プロテアーゼにはたくさんの種類があります。 ウイルスが私たちの体内にあるACE2受容体から侵入するときに、まず先程出てきたウイルス表面にあるスパイク・タンパクを切断するプロテアーゼが必要です。それをフーリンと言います。 その後、フーリンにより切断されたスパイク・タンパクは、S1とS2に分裂します。 そして、S1がACE2受容体に結合し、S2が膜融合(私たちの細胞膜と融合)します。 S2が膜融合する際に必要なプロテアーゼは、TMPRSS2と言います。 ちなみに、ウイルスのRNA(遺伝子のようなもの)複製に関与しているプロテアーゼを、3CLproと言います。 簡潔に言うと、ウイルスが私たちの細胞に侵入するには、特定の受容体を経由する必要があり、その際に特定の酵素が必要だよ、ということを覚えて頂けたらと思います。 ウイルスに感染した場合、通常数日間は体調に変化がなく、感染したかどうかが分からないことがほとんどです。徐々にウイルスは分裂し、増殖していき、私たちの細胞を傷つけ、そこで身体に炎症反応が起こり、結果咳や熱、だるさ、痛み、という症状として身体に現れることで、私たちは感染したことを知ります。 アロマはどのような目的で研究されるのか? では、なんとなく感染メカニズムは分かったと思いますので、次にコロナウイルスとアロマの研究では、どんなことを調べるのに研究されるのか、についてお話します。 コロナウイルスとアロマの研究の目的を思い浮かべた時、多くの方が、精油がウイルスをやっつける(殺ウイルス)効果を調べる、と考えるかと思いますが、実はそうではなく、どちらかと言うと、抗ウイルスの効果を調べる実験や仮説ばかりなんですね。 一般に、コロナウイルスに対するお薬というのは、コロナウイルスそのものをやっつけるのではなく、抗ウイルス作用、つまり先程紹介した酵素を阻害する働きをする薬が抗ウイルス薬の意味なんです。 例えば、インフルエンザウイルス薬のアビガンがあると思いますが、これは、RNAポリメラーゼというウイルスのRNA(遺伝子のようなもの)を合成する酵素の一つを阻害する働きを持ちます。そうすることで、ウイルスの分裂を防ぐことができるのですね。 それ以外にも、ウイルスの入り口であるACE2受容体に働きかける薬として、高血圧に使われるとされるレニン-アンジオテンシン系のお薬や、カプトプリルなんかがあります。そして、TMPRSS2を阻害するナファモスタットだったり、3CLproを阻害するYH-53というお薬なんかもあります。 アロマ界で研究されるのは、こういった既に承認されているお薬の効果が、精油にもあるかどうか?を調べる目的で使うことが多いんですね。 アロマとコロナウイルスのエビデンスの種類 今回ご紹介する文献のエビデンスですが、ほとんどがインシリコのエビデンスです。簡単に言うと、ただの仮説です。 アースギフトミニインシリコとは、シリコンチップ中のという直訳なんだけど、意味としては、コンピュータ上に調べたい化合物(この場合精油の成分)の詳しい情報をデータベースに記憶させ、それを元にコンピュータが実験の仮説を出してくれるんだ。この利点は、実際に実験をしたときよりもコスト削減になることや、実験に移行する前に、薬理効果の可能性を秘めているかをスクリーニングすることができるんだよ。 よく、文献を読んでいると、インヴィーボ(In Vivo)やインヴィートロ(In Vitro)という言葉は聞いたことがあると思います。この言葉に対応して作られたものがこのインシリコ(In silico)なんです。 インヴィーボは動物や人間などの生体内での実験のことで、インヴィートロは試験管内での実験です。つまり、インシリコはこれらよりも、更にエビデンスの力は弱くなります。 アロマのエビデンスについては、以前こちらの記事で解説したのですが、今回の実験はこのヒエラルキーの一番下の実験だよ、ということは最初にお伝えしておきますね。 これまで発見したエビデンス例 では、ここから実験内容の説明と結果を簡単にまとめてご紹介します。 ① カルバクロールとACE2受容体阻害 ② 1,8シネオールと3CLpro阻害 ③ ニンニクの精油とACE2受容体と3CL Pro阻害 ④ カジェプトとACE2受容体と3CLpro(PDB6LU7タンパク質)阻害 ⑤ β-ファルネセンと3CLpro阻害 ⑥ レモンとゼラニウムのACE2発現とTMPRSS2阻害 上記以外にもあると思いますが、ティスランドインスティチュートのブログと、ジェードさんのブログを参考に、私が現時点で知っている分をご紹介します。 カルバクロールとACE2受容体阻害 この研究では、アモイデス(Ammoides verticillata)というアルジェリアで見つかった植物の化合物を使用しているインシリコの研究です。ここでは、Ammoides verticillataの成分と、FDA承認薬である、カプトプリルとクロロキンを調べたもののようです。 クロロキンとは、抗マラリア薬で、日本では禁止されているようですね。詳しいメカニズムは分からなかったのですが、今回参考にしたティスランド・インスティチュートのブログだと、ACE2受容体を阻害する働きがあるようなことが書かれていますね。ですが、ネットで調べても、クロロキンがACE2に関係があるのかは出てこなかったので、この辺りはちょっと不明度は高いです。 そしてカプトプリルですが、これも同じようにACE2受容体の阻害薬として書かれていましたが、これは調べてみても確かにそうだと思います。薬学に詳しい方に教えてほしいところです。。 この実験の結果としては、カルバクロールがカプトプリルおよびクロロキンに匹敵するACE2阻害剤であることを示唆したとあります。 そして、このアモイデスの精油に含まれる化合物として、カルバクロールが51.2%で、p-シメン:14.1%、チモール:13.0%、リモネン:11.9%、γ-テルピネン:6.8%とあります。アモイデスはマーケットには出回っていない精油なので、次回はもっと私たちに身近な精油のオレガノなんかで、インヴィトロ実験して頂きたいですね! 1,8シネオールと3CLpro阻害 この研究はわりと信憑性が低かったのですが、一応ご紹介しますね。1,8シネオールとは、ローズマリーやユーカリプタスに多い、呼吸器系の症状に使われる成分ですね。 この研究では、1,8シネオールの3CL Pro阻害をインシリコで確かめることでした。結果は、1,8-シネオールが3CL Proを阻害し、それによってRNA複製を阻害する可能性がある、と結論付けています。 ただし、こうも書かれていて、この研究は査読(ピアレビュー)を受ける前に、著者によってオンラインで公開されていた、とあります。更に、その後も査読された様子もないようです。。 何か実験を行った後、誰か他の研究員、専門家の方にその評価をして貰う必要があるんだけど、そういった評価をピアレビュー(査読)と言うよ。 アースギフトミニ この著者は、以前別の研究でも、間違いがあったまま公開していた過去も有るようで、ちょっと個人的にこの実験は真偽が不明ではありますね。。^^;真実なら嬉しいことですけども。 ニンニクの精油とACE2受容体と3CLpro阻害 にんにくの精油(Allium sativum)は嗅いだことないのですが、確か以前読んだティスランド氏の書籍か何かによると、隣人がガス漏れを疑って訪ねてくるほど臭かった、と書いてあったと記憶しています。よほど臭いのでしょうね。。そして、毒性も高い精油なので、あまりセラピーにはおすすめしないのと、使う機会もないですよね。抗凝固作用も知られており、高血圧などの疾患のある方は使えない精油です。 さて、この研究では、ACE2受容体と3CLproの一部である、PDB6LU7タンパク質との相互作用を調べたインシリコ研究のようです。 このニンニクの精油の成分は、二硫化アリル(28.4%)、三硫化アリル(22.8%)、二硫化アリル(E)-1-プロペニル(8.2%)、三硫化アリルメチル(6.7%)、四硫化ジアリル(6.5%)とありますが、一般に言われるニンニクの精油の主成分である、ジアリルジスルフィドとジアリルトリスルフィドが含まれていない、とあります。この類の実験で使われるものって、精油かどうかが怪しいものは本当に多いので、文献を読む際は注意してくださいね。今回の文献は精油で間違いないと思いますけども。 結果ですが、調べられた18つの化合物のうち、17つはACE2とPDB6LU7タンパク質に対して、高い効果が見られる可能性があることが示唆されていました。とういうことなので、ニンニクの精油はかなり期待できそうです。次はインヴィートロ実験で証明してほしいですね。 もしコロナに掛かったかな、と心配になった時は、ニンニク丸かじりも有りかもしれませんね^^ カジェプトとACE2受容体と3CLpro(PDB6LU7タンパク質)阻害 カジェプト(Melaleuca cajuputi)はメラルーカ(コバノブラシノキ属)の植物で、ティーツリーの仲間で抗菌性に優れたフレッシュな緑の香りがしますね。よく、足つぼマッサージのときに使うセラピストは多いのかな、と思います。 さて、ここでの研究では、カジェプトのエッセンシャルオイルがACE2受容体とPDB6LU7タンパク質に結合するかどうか、インシリコで研究されたものです。精油の成分が結合することで、ウイルスの結合を阻害する、と考えられるので、結合したほうがポジティブな結果、ということなんですね。成分は全部で24種類ありました。 結果は、それらの成分のうち、10つは3CLproとACE2の両方を阻害したそうです。特に活性が高かった4つの成分が、効力の高いものから順にα-テルピネオール、グアイオール、リナロール、1,8-シネオールでした。 しかし、この実験でもまたもや成分表に不思議な点があり、ティスランド氏の安全性の本(英語版はこちら♪)では、カジェプトにはグアイオールは1.2%程度の微量の濃度で含まれているのに対し、この研究で使用されたエッセンシャルオイルには、6.5%のグアイオールが含まれていた、とありますね。 更に他にもあって、1,8-シネオール、α-テルピネオール、β-オイデスモール、α-オイデスモール、γ-オイデスモール、ブルネソール、β-ミルセン、テルピネン-4-オール、リナロールなど、どれも成分表が、一般に知られているものと違った、とあります。 ここで使われたカジェプトは、ベトナム産のものなのですが、一般に多い原産国ではオーストラリアですよね。ですので、多少の違いは仕方ないのかな、と個人的には思います。特に、メラルーカ属の植物や、ユーカリ類の植物は、種類が幅広い分、かなり成分表に差があるのは有名です。 この研究で使用されたエッセンシャルオイルが、カジェプトではない別のオイルである可能性もあるよ、ということはお伝えしておきます。どちらにせよ、成分を見る限り、一般に使われる精油に多い成分なのは嬉しいですね。 β-ファルネセンと3CLpro阻害 βファルネセンは、あまりメイン成分として含まれることは少ないように思いますが、通常カモミールなどのキク科の植物の精油には数%含まれています。ティスランド・インスティチュートのブログでは、ジャーマンカモミールの生育状況によって、この成分が多く含まれることがある、と書かれていますね。ロバート・パパス氏のデータベースには、1,2%濃度でジンジャーやジャーマンカモミール、ラベンダーに多く見られました。もっと%が高いものだと、ワームウッド(ニガヨモギ)がありますね。 さて、この研究もインシリコで、ACE2、RBD(Receptor Binding Domainの略で、ウイルスSタンパクのACE2結合領域のことを言います)、そして3CLproに対する作用の研究で、171種類のエッセンシャルオイルの成分で調べたそうです。かなり多いですね! この研究で使われた成分ですが、他のウイルスに対して効果的な成分を選んでいたようです。インフルエンザのいくつかの株や、単純ヘルペスウイルスのHSV-1やHSV-2、などのウイルスに対して抗ウイルス作用があることが知られている成分です。 そして結果としては、β-ファルネセンがSARS-CoV-2 3CLproに対して最も高い効果を発揮したとありますね。それ以外でも、α-ファルネセン、ファルネソール、ネロリドールなどの成分も効果があった、と書かれています。 個人的には、どの精油にもこのβファルネセンの成分の含有量が少ないことが気がかりですね。せっかく精油を使っても、成分が少なすぎると効果が得るのは難しくなりそうだな、と思います。更に、カモミール系の精油は飲まないですからね。もしもインヴィートロでも証明されたとしても、実践となると現実味は少ない感じはします。 レモンとゼラニウムのACE2発現とTMPRSS2阻害 さて、最後はレモンとゼラニウムに関する研究ですが、これはなんとインヴィートロの実験です! 今回の実験では、レモンやゼラニウムを含む、計10種類の精油を使い、それらのACE2受容体阻害効果を調べるのに、HT29細胞を使い、イムノブロッティングとqPCR分析を行った、という実験です。このイムノブロッティングとqPCR分析が何かが分からなかったのですが、簡単に調べてみると: ①イムノブロッティング: 電気泳動を⾏い分離したタンパク質をメンブレン (膜) に転写し、膜上のタンパク質を抗体で検出する⽅法 ②qPCR分析: サンプルにおける目的遺伝子の発現または変異やSNPなどの特定のDNA配列のコピー数を正確に定量化する 正直これを聞いても???なのですが、①は何か特定のタンパクを調べるもの、②は遺伝子を調べるもの、といった感じでしょうか。 このHT29細胞というのは、がん細胞の一種で、このがん細胞にはACE2受容体が多いので、ACE2阻害を調べるのに適していた、とのこと。使われた精油の種類は全部で、プチグレイン、ティーツリー、ユーカリ、ベルガモット、ジュニパーベリー、タンジェリン、ヒノキ、ネロリ、レモン、ゼラニウムでした。 そして結果を見てみると、結論はゼラニウムとレモンの精油が、強力なACE2阻害効果を持っていることが確認された。とのことです。 先程のイムノブロッティングでは、TH-29細胞のACE2タンパク質レベルを測ることができて、ゼラニウムとレモンのエッセンシャルオイルによって大幅に減少した、と書かれていますね。 そして、qPCR分析により、ゼラニウムとレモンのエッセンシャルオイルが、HT-29細胞のACE2とTMPRSS2のmRNAレベルを減少させることも確認された、とあります。 こんな素晴らしい研究結果を見ると、素人の私としては、レモンとゼラニウムの精油はコロナウイルスのパンデミックを抑える手助けになりそうだ!なんて思ってしまいますが、今回の文献を紹介していたジェードさんのブログでは、この結果は、ウイルスの感染を防ぐ明確な答えではなく、実際に医療の場やホームケアで感染を防ぐために役立つものではない、と仰っています。 あくまで実験室の実験だから不明な部分が多い、ということもあると思いますし、実際に人に精油を使い、本当にACE2受容体を減少させることが起こった場合、それが結果的に医学的に良いことなのかが分からない、ということもあるのだと思います。 まだまだ実践の段階からは程遠い状態ですが、今後も更にアロマに関する研究が進んでいってほしいな、と個人的には思います。 まとめ やはりアロマが薬学と同じフィールドに立つのは難しいと思いますが、今後少しでもこのような実験が増え、より強いエビデンスとして証明されていってほしいですね。 現時点では、精油のウイルスに対する作用はまだまだ分からないところが多いにしても、普段の予防的な側面だったり、日常の精神ケアという面では、精油の使用はとても効果的に働くので、今回の結果に失望せず、普段の生活にはアロマを取り入れてほしいなと思います。 また、Earth Gift Aromaのメルマガでは、コロナに関する予防ケア、不安症の対処法など、その他様々なアロマに関するお話が読めます。過去のものも読めるのと、完全無料ですので、ぜひご登録してみてくださいね。 メルマガ登録 本日の参考文献 〜Citation〜 ● https://www.eurekalert.org/multimedia_ml/pub/10716.php?from=17309 ● https://aromaticstudies.com/ace2-essential-oils-and-sars-cov-2-infectivity-an-article-review/ ● https://tisserandinstitute.org/sars-cov-2-essential-oils-in-silico-studies/ 大変ありがとうございました!Thank you so much 🙂

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アメリカ アロマ界

2023/1/10

アロマセラピストが解説するアメリカのおすすめアロマ講師!【講師の特徴や講座などの紹介】

アメリカでアロマの勉強したいけど、誰から学べば良いんだろう?おすすめの先生いないかな?今日はそんな疑問に答えるよ。 こんにちはEarth Giftです。 アメリカでは最近また感染者数が増え、コロナ渦の自粛生活で時間が余り、アロマをもっと深く学習したいな、という方も多いかも知れませんね。以前、アメリカでのアロマの資格や学校についてご紹介しましたが、今日は、アロマの資格ではなく、アロマに関する特定の分野を学びたい方向けに、アメリカのアロマ界で有名な先生方や、コースの内容なども、これまでの体験に基づいて深ぼってご紹介していこうと思います。 記事でお話すること 1, アロマを学ぶ上で大切なこと ・資格はただの肩書 ・自分が何が得意で何が好きなのか?を見つけることが大事 2, アメリカの有名&おすすめ講師の紹介 ・ロバート・ティスランド氏 ・ジェード・シューツさん ・アンドレア・バエさん ・シーラ&ニッサ・シェパード−ハンガーさん ・ティム・ミラー氏 ・ドクターZ & ママZ 3, 学校や講座内容の解説 ・ティスランドインスティチュート(TI) ・アロマティックスタディース(Aromatic Studies) ・アロマヘッド・インスティチュート(Aromahead Institute) ・アトランティック・インスティチュート(Atlantic Institute of Aromatherapy) ・ナチュロパシックCE(Naturopathic CE) ・ナチュラルリビングファミリー(Natural Living Family) 4, まとめ アロマを学ぶ前に自分が何を特に学びたいかを決めよう 本題の前に、賛否両論あることだと思いますが、一発信者として個人的な経験も兼ねて、アロマを学ぶ上で最も大切だなと思うことを話したいと思います。 資格はただの肩書 アメリカのアロマ界にマルチレベルマーケティング(MLM)の精油(ドテラ社やヤングリビング社)が参入し、大きな話題になったのは2012年頃からだったと思います。 それ以前からアロマのMLMはありましたし、それらに対する賛否両論がありました。私がマッサージスクールで学んでいたときも、ヤングリビングやドテラの精油が話題になることも有りました。 ですが、ドテラ社が大きくなり始め、Facebookでもアロマに関するグループが多くなり、便乗するかのごとく、アロマビジネスが多くなり始めたのはその頃だったように思います。 SNS上では様々なディスカッションが開かれていましたが、やっぱり一番目にするようになったのは、 “アロマの資格もないのに精油を安易に使ったりするのは良くない” といったことだったんですね。特に、これまで講師として肩書のある、アロマ界では有名な方も実名でそういった書き込みをされていましたので、そこそこ深刻な内容のトピックが多くありました。 そういった感じで、MLM VS 反MLM の派閥のようなものができていたと思いますし、それは今でも残っているのかな、と思います。 アロマを始めた当時、私はアロマの資格はなく、金銭的にも高いな、と思っていたのでとりあえず独学をしていました。ですが徐々に、自分が学んでいることがどの程度のレベルなのか、的外れな勉強をしていないだろうか?など、様々な疑問が浮かぶようになり、もっとメディカルアロマを追求したい、という思いから、NAHA協会のカリキュラムを教えているスクールでオンライン受講しました。 資格を取って良かったか?といえば、答えはもちろんイエスです。 やはり自分の独学力では得られなかったことが多く学べたことや、一番受けて良かったなと思ったのは、先生個人の体験談やレシピ、マンツーマンでのレッスンが得られたこと。それは他校では得られないとても貴重な情報です。そしてそれは今でも、アロマの実践に役に立っているんですね。 じゃあ、アロマを学ぶ人や使う人、教える人でさえ、全員がアロマの資格を取得する必要があるか、と聞かれれば、それに関しては答えはNOだと思っています。 実はこの考えは、今も昔も変わっていないんです。資格はただの肩書であって、資格を持っている人=アロマの経験豊富、熟知した人、であるわけではないと思いますし、資格といえど民間の認定証であることには変わりなく、それがあるからと言って、一歩アロマ界から外れれば、世間一般にはなんの効力もないんですよね。ちょっと悲しいですけどね。 私もアロママニアとして、ベルガモットの精油にはこんな効果があって、こういう成分がこう働くんです!と力説して歩きたいですが、アロマに興味もない一般人がそれを聞いたところで、何だこの胡散臭い人は。。と思うものです^^ 自分が何が得意で何が好きなのか?を見つけることが大事 もちろん、資格を取ることを否定しているのではないです。当然ないよりはあったほうが、周りからの信頼はすぐ得られやすい傾向はあると思います。まず、アロマについて何も知らないから気軽に受けてみよう!という感じで受けるのはありだと思います。 ですが、もし資格を取る理由が、資格を持たずアロマを使うと白い目で見られるからとか、資格がないとアロマを教えられないと暗黙の了解で感じている、という場合は、もう少し考えてほしいなと思います。 アメリカには有名なアロマ講師ってたくさんいるんですが、実はそういった教育者でさえ、アロマの資格をそもそも持っていないことは多いんですね。 例えば、アロマ界のパイオニア、ロバート・ティスランド氏は、誰もが知る有名な教育者ですが、彼はアロマの資格は持っていませんし、彼の奥様のハナさんも、アロマの知識もとても豊富で、これまで様々な経験をお持ちの方ですが、アロマの資格というものは有りません。 そしてアロマ界の有名化学者、ロバート・パパス氏も同じです。彼なんておそらく、アメリカのアロマの資格が何なのか詳しく知っているのか疑問なくらいです^^; 要は、自分にはどんな経験があって、どんなことに特化して学んできたのか?ということが重要なのかなって思うんですよ。 もしこれからアロマを学びたいと考えている方は、本来自分の目的は何なのか、とか、アロマのどういったことが好きなのか?を決めてから受講してほしいんですね。なぜなら、アロマの先生って全員違うので、受ける先生によって何に特化しているのかが変わってくるからなんですね。 今後アロマのMLMビジネスに参加したい場合でも、例えばアロマクラフト、スキンケアに特化して学びたいなら、そういったクラスや得意な先生が良いですよね。また、将来美容系のサロンを開いてアロマを取り入れたいとかの場合、そういったサロンビジネスも一緒に教えてくれる学校も良いと思います。 あとは、もっと治療を目的としたメディカルアロマを学びたい場合は、より薬効を意識した知識や、効率の良い安全な使い方を学ぶ必要がありますね。ちなみに、私Earth Giftはこの部類かなって思っています。 あとは、精油のブレンドスキルっていうのは、これは一つの職業とすら思いますね。それくらい、ブレンド術って難しいですし、その方の個性やセンスっていうものがとても反映されるんですよ。アロマのブレンドアーティストなんかもかっこいいですね^^ せっかく高い学費を払うなら、資格の有無よりも、将来の自分のプラスになる要素が多い方法を選んでほしいと思います。特にどんなことを学びたいか、そもそもアイディアがないよ、という方も、まずこの記事を読んでアイディアだけでも取り入れてほしいなと思います。 アメリカで有名なおすすめアロマ講師の紹介 では、ここから本題ということで、アメリカで有名&おすすめのアロマ講師をご紹介します。 ① ロバート・ティスランド氏 ② ジェード・シューツさん ③ アンドレア・バエさん ④ シーラ&ニッサ・シェパード−ハンガーさん ⑤ ティム・ミラー氏 ⑥ ドクターZ & ママZ 上記以外にも、たくさんの素晴らしい教育者が活動しておりますが、特に私が知っている方々をピックアップしてご紹介しています。では一人ずつ見ていきましょう。 ロバート・ティスランド氏 ティスランド氏はアメリカのアロマ界のパイオニアでもある方で、アロマセラピストで知らない人はいないほどの実力者ですね。ティスランド氏は40年以上の経験を持つ、エッセンシャルオイルの科学な視点で研究、分析し、それを教える教育者でもあります。英国、米国をはじめ、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ、アジア諸国でスピーカとして世界中を周っています。 1977年の最初の本、The Art of Aromatherapy: The Healing and Beautifying Properties of the Essential Oils of Flowers and Herbsは精油の基礎や、スピリチュアルな内容など幅広く書かれていて、アロマを始めたばかりの方にはおすすめの本の一つです。 そして、アロマセラピストのバイブルとも言われる、エッセンシャルオイルの安全な使用に関する辞典、Essential Oil Safety: A Guide for Health Care Professionalsの著作者の一人です。ティスランド氏のスクールは全てオンラインで、Tisserand Instituteという名称で運営されています。アロマセラピストの資格コースのようなものはありませんが、安全性の講座を始め、様々なコースや、多くの専門家講師が携わっています。 ジェード・シューツさん ジェードさんを初めて知ったのは、私が資格コースを取り終えた後、もっと詳しい実践方法が学びたい、と思ったことで探していた2013年でした。 当時、精油の薬理効果をもっと知りたいとか、ブレンド術がとても難しく感じていて、ブレンドは今でも日々学んでいることですが、もう少しブレンドに特化ものがないかな、って見ていたときに辿り着いたのがジェードさんの“Dynamic Blending”の教科書だったんです。 教科書は少し割高に思っていましたが、実際見てみると、精油やキャリアオイルのモノグラムを始め、ジェードさんの体験談、アロマクラフトの論理など、これまで見たことがないほど詳しい実践方法が学べ、とても感動したことを覚えています。 それ以来、ジェードさんのファンになり、いくつか書物や講義を受け、今でも非常に役に立っています。2014年には、アロマ界の論争の根源である、MLM vs 反MLMの問題を解決すべく、ドテラの本社に訪れ、MLMビジネスを採用するアロマ会社の真相はどうなのか、ドテラ社の真っ直ぐな思いををアロマ界に広めてくれた革命者とも言えます。本当に大好きな尊敬するアロマ講師の一人です。 現在は、Aromatic Studiesという学校を運営しており、アロマセラピスト認定コースや、専門講義、単発のクラスまで多数取り揃えています。 アンドレア・バエさん アンドレアさんは、学校はAromahead、精油などのショップはAromatic Internationalを運営されており、以前、ロバート・ティスランド氏と共同で、精油の成分の研究文献のサブスクリプションをされていたりと、アロマ界ではとても有名な方です。 アンドレアさんを知ったのは、アロマセラピーの資格コースを学んでいた当時、Youtubeか何かの動画で、アンドレアさんのブレンドのレシピやクラフト作りの参考にしていました。すごく優しい話し方で、説明も分かりやすいので、一緒に作りたくなるような内容が多いですね。 例えばこんな感じです: グレープフルーツとフランキンセンスのソルトスクラブですね。とても簡単なのに、久しぶりに作ってみたくなりましたね^^ アンドレアさんは世界を回って、芳香植物や精油など、“香り”というもののセンスが高く、研究や発見をすることが好きな方なんだなと思いました。 私自身、アンドレアさんの書物やブログを読んだり、無料講義に参加したことしかないのですが、私が資格コースを取ったときの先生が、もともとアンドレアさんが先生だったそうで、先生のブレンドレシピはかなりユニークで、今でもそのレシピは大切に使っているんですね。 アンドレアさんはアロマで何かを作ったり、ブレンドが特に得意です。ぜひ他のYoutubeも見てみてくださいね。 シーラ&ニッサ・シェパード−ハンガーさん シーラさん(お母さん)、ニッサさん(娘さん)は親子でアロマスクール(Atlantic Institute of Aromatherapy)を運営しており、シーラさんはロバート・パパス氏と一緒に研究事業をするなどでアロマ界でも有名な方です。 シーラさんはちょっぴり魔女のような髪型で、声も深みのある穏やかな方で、教え方に説得力のある方なんですね。シーラさんはわりと論理的にアロマセラピーを解説されるので、私のように、科学的根拠や理由が知りたい方にはとてもおすすめの先生。 こちらがAtlantic Institute of AromatherapyのYouTubeです。 こちらは痛みとアロマセラピーについての動画です。お二人ともとても仲が良いんですよ。 シーラさんの書物はとても専門的で難しいです。とはいえ、ガチガチの座学知識だけを教えているのではなく、実際に精油を取って、香りを確かめながら、論理も学べるので、実践的でもあります。特に、実践的な部分ではニッサさんが得意です。 少し前にお父様の身内の不幸があり、一時休業などもされていましたが、今は再開され、とても仲の良いご家族で、学びながらいつも癒やされます^^ ティム・ミラー氏 ミラー氏はあまり私のブログでは見たことがないかと思いますが、ライセンスを持った自然療法士で有機化学の講師の方です。 本当は、尊敬するロバート・パパス氏と迷ったのですが、おすすめのクラスとなるとティムさんのほうが楽しいんですよね^^; もちろん、パパス氏も素晴らしい化学者であり、講師です。 ティムさんは、自然療法のドクターでありながら、ご自身をアロマセラピー化学オタクと仰っていて、化学が嫌いな人を少しでも好きにさせようとする教え方をされるんですね。彼はNaturopathic CEという学校の講師の一人で、おそらく創始者でもあるのかなと思います。 ドクターZ & ママZ ドクターZとママZの本名は、エリック・ジーリンスキーさんと、サブリナ・ジーリンスキーさん。ご夫婦でホリスティックウェルネスのビジネスを行っていて、もしかしたらアロマ以外で知っている方もいらっしゃると思います。 エリックさんは、カイロプラクティックのドクターで、サブリナさんは、フィットネス、マーシャルアーツのインストラクターをしています。二人は自然療法として、アロマセラピーだけでなく、栄養学や運動など、健康的なライフスタイルに関する情報を数々発信しています。 こちらが彼らのYouTubeです。 こちらは抹茶ラテの作り方を紹介されている動画です。抹茶の効果を英語で学べるのでぜひどうぞ^^ それにしても、なんていう美男美女カップル。。羨ましいですね! 彼らを知ったのは、2013年にフェイスブックのアロマコミュニティーで紹介されていたことでした。ちょうどドテラビジネスが流行りだした頃に有名になったので、最初はドテラのMLMビジネスをされている方だろうと思ったんですね。 ですがよく調べると、彼らはブランドフリーでアロマの効能や使い方を発信していて、彼らのバックグラウンドがフィットネスや自然療法からアロマ界に入った方々なので、従来のアロマセラピーから学んできた講師とは違った目線で情報発信していたんですね。 例えば、有害なケミカルだったり、リーキーガットなど、身体に悪いということは分かっていますし、アロマが効果があることもなんとなく理解できますが、それがなぜなのか?を科学的根拠を元に説明できるアロマ講師は少ないです。そこで、ドクターであるエリックさんが、そういったナチュラルヘルス界で話題になるような、噂や症状を医学的に解説し、その上で精油の効能や使い方も科学的根拠に基づき説明するので、アロマ界に新しい風をもたらした方でもあります。 彼の周りには医療関係者の方も多くや、シーラさんなどの有名なアロマ講師までも絶賛するほどの精油の知識をお持ちです。エリックさんはより科学的根拠に基づいた話、奥様のサブリナさんは、より実践的な部分でサポートしています。 スクールや講座の紹介 では、先程ご紹介した講師のスクールや講座について、それぞれ解説していきます。 ティスランドインスティチュート(TI) ティスランドインスティチュートは、ロバートティスランド氏のスクール(以下TI)で、ここでは認定アロマセラピストコースはありません。TIでは様々な専門家の方が携わっており、ティスランド夫妻を始め、学位を持ったバイオロジスト、ケミスト、そしてアロマクラフトやスキンケアに特化した講師などが、個々に専門分野に特化した講座を提供しています。 おすすめはなんと言ってもティスランド氏の“Essential oil safety”。精油の安全性といえばティスランド氏、と言っても過言ではないほど、彼は長年科学的根拠を基にした精油の安全性について教育しています。全てのアロマセラピストやプラクティショナーはもちろん、特に、患者やクライアントに対してアロマセラピーを行っていきたいなど、スパやクリニックビジネスをされているプロの方も受ける価値が高いです。 私が受けたのは2016年で、ファンダメンタル、安全性の講義などを受けましたが、アロマの資格を持っているのに学ぶことが多くて驚いたくらいでした。今は更にアップデートがあると思いますし、ぜひアロマ界に踏み入れるなら、一度はティスランド氏の講義は受けてみるのが良いと思います。ティスランド氏のアロマの安全性を学ぶための辞典、こちらはアロマ関連の最もおすすめの本トップ3に入ります。    確か、数年前に日本語版も出ましたね。TIのメルマガで紹介されていたときに、突然日本語が出てきて感動した記憶があります^^ メディカルハーブのプロ、林真一郎先生が翻訳されていたかと思います。日本在住の方はこちらをどうぞ:    まとめ おすすめ講座: Essential Oil Safety どんな人におすすめ?: 全てのアロマセラピスト・プラクティショナー、スパやクリニック経営者 アロマティックスタディース(Aromatic Studies) ここは、私の尊敬する教育者でもあり、アロマ界に革命をもたらしたジェード・シューツさんの学校(以下AS)です。ASでは認定アロマセラピストコースもありますが、単発コースや、専門に特化した講座もあります。 ジェードさん自身、始まりはアロママッサージに魅了され、アメリカ、イギリス、フランスに渡り、アロマセラピー、ハーバリズム、アーユルヴィーダなどをマスターされた、ホリスティックセラピーのプロなんですね。私はジェードさんの痒いところに手が届く教え方が好きです。 これってどういう理屈でこうなんだ?とか、これってこう言われているけど、本当はどうなんだろう?とか、精油に関することで、アロマの資格を持っていても疑問になるようなことってあると思います。ジェードさんご自身がアロマセラピストやハーバリストの過程を経てこられているので、同じルートでアロマセラピストやハーバリストになった方々が疑問に持つであろうことを、丁寧に解説してくださるんですよ。これがジェードさんのおすすめ理由です。 ASにはたくさんの講義がありますが、私のおすすめは、①“Aromatic Medicine Certificate Course:Aroma Level 3”および②“Aromatic Applications For The Skin”の2つです。 1つ目は、私が2016年に受けたときはフレンチアロマセラピーコースという別な名前だったのですが、1,2年前に大幅なアップデートがあり、それを含めたアロマを使ったレメディー専門のコースがこちらです。現在は、アロマレベル3という名前も付いていて、ASのアロマレベル1,2のコースの続編になっているので、一般募集としては、アロマレベル1,2を受けた方が受けるもの、となっています。 ですが、サイトをよく見ると、アロマレベル1,2を受けていないくても、もともとアロマに関するベースがあれば、誰でも受けられるようですね。こちらは主に、薬効を意識した効率の良いアロマの使い方やクラフト作り、症状に対するレシピなどを学びたい方にとてもおすすめです。 2つ目は、アロマクラフトの中でももう少し難易度の高い、軟膏、クリーム、ボディーバターなどを詳しく学習できるコースです。これは、アロマクラフトでビジネスをされたい方にはすっごくおすすめ。 皮膚の解剖学を始め、精油の肌へのリアクションや安全性の知識、そして、こういった類のクラフト作製も学べます。特に、乳化剤や、防腐剤、基材の配合のちょうど良い割合などをきちんと学びたい方は、ぜひこちらのコースを受けてみてくださいね。 まとめ おすすめ講座: ①Aromatic Medicine Certificate Course:Aroma Level 3 ②Aromatic Applications For The Skin どんな人におすすめ?: ①アロマの薬効や症状に特化するレメディーレシピ、作製を学びたい方 ②ワンランク上のアロマクラフトを学びたい方 アロマヘッド・インスティチュート(Aromahead Institute) ここはアンドレアさんの学校ですが、こちらも認定アロマセラピストコース、その他様々な講座があります。ですが、個人的におすすめしたいのは、アンドレアさんのブレンドやクラフト作りなどの要素です。 おすすめ講義は、“Online Component Blending”。もちろん、認定セラピストコースでも、クラフト作りやレシピ、ブレンドなどは学べますが、ブレンド術に特化したい場合はこちらが良いですね。 ちなみに、セラピストコースにご興味があれば、無料ウェビナーも随時開催されています。 個人的におすすめなのは、アンドレアさんの書籍の一つ、"Essential Living: Aromatherapy Recipes for Health and Home" 。       おそらくアロマの初心者の方で、お家での使用方法やクラフト作製などを手軽に学習したい方は、この本だけで完結します。それくらい、アロマを使う上での必須事項や基礎知識が豊富です。そしてアンドレアさん体験談のお話、写真も多くあるので、見ていて楽しいですし、全くの初心者の方にもとても分かりやすいです。 アロマを手軽に使う人のためのベーシックな書籍は、他にも数多く出ていますが、こちらの書籍は、作者のアンドレアさん自身がアロマセラピストの講師なので、精油の安全な使い方の基礎がベースにあります。 ですので、難しい論理は興味ないけど、お家で安全に楽しくアロマを使用したい方、学生さんでアロマを学んでみたい方にはとてもおすすめです。学生さんのお子さんなどの贈り物にも最適だと思います。 ただ、個人的にはキンドル版がおすすめです。もともとキンドルにした理由は、書籍は大きさが真四角なので本棚に入りにくそう、と思ったことだったのですが、レビューを見ると、場合によって、文章中にブレがあったりするそうなので、キンドルが便利かなと思います。 まとめ おすすめ講座: Online Component Blending どんな人におすすめ?: クラフト作製や精油のブレンドスキルを高めたい方 アトランティック・インスティチュート(Atlantic Institute of Aromatherapy) こちらは、シーラさん、ニッサさんの親子で経営されているスクールです。こちらでも、認定アロマセラピストコースがありますね。きっと素晴らしいんだろうなと思いますが、私がおすすめするのは、“Inner Sanctum Library”。 ...

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カナビス 知識

2021/7/22

CBDオイルって何?~CBDオイルの成分の効果や使用方法を解説~

CBDオイルって何?というところから、CBDオイルの成分や効果、使い方などを解説するよ。 こんにちはEarth Giftです。 アメリカでは当たり前に売られているCBDオイルですが、最近日本でも知られるようになってきたと聞きます。ですが、医療用大麻はアメリカですら良く思っていない人たちがいる中、日本では尚更不審に思われるのではないでしょうか?今日は、そんな方々に少しでも安心してもらえるような、CBDオイルの詳しい解説をしていきたいと思います。 記事でお話すること 1, CBDオイルとは? ・CBDオイルはどのように作られるの? ・CBDオイルの注意点 2, CBDオイルの成分を深ぼってみよう ・カナビスのCO2エクストラクトの成分 ・CBDオイルのTHCは全く心配する必要がない ・CBDオイルの効果 3, CBDオイルの使い方 ・CBDオイルの主な使い方3選! 4, まとめ そもそもCBDオイルとは? もし、医療用大麻(カナビス)に関して全くの初心者ですよ、という方の場合は、以前こちらの記事でカナビス製品の違いのお話をしていますので、最初にそちらから見ていただくと、今日の記事も分かりやすいかと思います。 CBDオイルとは、カナビスこと大麻の成分である、カナビディオールの成分が含まれているオイルのこと。 このカナビディオールは英語でCannabidiol。つまり、CBDとはここから来ているのですね。 CBDオイルはどのように作られるの? CBDオイルは、まずカナビスの植物から成分を抽出しなければならず、その抽出方法には大きく2つあります。 ① 抽出油 ② 二酸化炭素抽出法 1つ目は、カナビスの植物自体を油に浸け込んで抽出する方法です。 油とは植物性のもので、例えばサンフラワーシードオイルとか、オリーブオイルなど、重すぎず香りがしない植物油が選ばれます。場合によってはエタノールなどのアルコールで抽出することもあります。 この方法はとても簡単なので、変な話私たちでもできますが、欠点としては成分が十分に抽出されないことや、成分の濃度調節が難しい、アルコール成分が残るなどのことが挙げられます。 ですのでこれは、商品化するために専門的な目線から見ると、不十分な抽出方法だったりします。 この方法は、アロマ界では、抽出油のキャリアオイルや、ティンクチャーで使われる方法です。例えばセントジョンズワートオイル、カレンデュラオイル、ハンガリーウォーターなどですね。 2つ目の方法は二酸化炭素抽出方法といって、CBD製品では定番の二酸化炭素を溶剤として使う抽出方法です。 これはアロマ界でも使われていて、CO2エクストラクトの抽出方法です。二酸化炭素抽出法の詳しくはこちらの記事の最後の方をご覧くださいね。二酸化炭素抽出方法を行えば、大麻のCBDの成分はもちろん、他の薬効の高い成分もしっかり抽出できるので効果的な抽出方法です。 CBDオイルとして販売するには、①の方法の場合、抽出してそのまま販売されることもありますが、そこからTHCという副作用の出やすい成分を取り除いたり、といった成分調整は必要になりますね。②の方法でも、同じようにTHCを取り除くなどの成分調整が必要になります。 とくに日本ではTHCを完全に取り除いていることが多いですね。この成分調整ですが、会社によっては、CBDだけを抜き取るアイソレート法が使われることもります。 またこの②の抽出方法では、カナビスの成分のみを取り出す方法なので、これだけでは強すぎてしまいますよね。 そこで、抽出した成分を他の植物油で希釈する必要があるのです。 そのときに使われる植物油は、先程①の説明でも出てきた、サンフラワーシードオイルやオリーブオイル、あとはヘンプシードオイルに混ぜている会社さんもありました。 あとは、私の使っているCBDオイルは、分別蒸留ココナッツオイルと言って、精製されて香りのしないココナッツオイルで希釈されています。 多くの会社では、できるだけ香りのしない軽めの植物油で薄められることが多いです。 CBDオイルの注意点 CBDオイルには実は厳密な定義はなく、品質の基準に関しても、THCの含有量以外は法律で定められていないため、アロマ界の精油と同じように、偽和されているものや、CBDの成分すら入っていませんでした、という悪質なものもたくさん出回っているのです。 アメリカではこのような詐欺まがいのことは、アロマ界だけでなく、健康食品業界全体で広まっています。 調べた市販のサプリメントの10%には栄養分が全く入っていなかった!というニューヨーク・タイムズの記事も以前読んだことがあるくらいです。ですので、CBDオイルも品質のきちんとした、安心できる販売元から購入するようにしてくださいね。 CBDオイルの成分を深ぼってみよう ではここからCBDオイルの効果を調べるべく、CBDオイルに含まれている成分などを見てみましょう。今回はあくまで一例ですので、構成成分はカナビスの生産地や種類などによって差が出ることはご了承ください。 カナビスのCO2エクストラクトの成分 もし、そのCBDオイルがCO2エクストラクトを使用していれば、CBDの成分以外にも、多くのテルペン類の成分が含まれています。今回は、アロマ界の化学者、ロバート・パパス氏のFacebookに成分表が公開されているので、これを参考にご紹介します。皆さんもぜひそちらを見てほしいのですが、これを見てみると、以下の主成分やマイナー成分が含まれています。  ミルセン … 30%以上  βカリオフェレン … 30%以上  α、βピネン … 5%以下  リモネン … 5%以下  リナロール … 5%以下  テルピネオール  CBD … 5%以下  THC … 0.1%以下 CBDとTHC以外の成分は、精油の成分としてもよく知られていると思います。これ以外にも成分は多く、1%以下の微量成分を合わせると、50種類近く含まれています。ですがカナビスのCO2エクストラクトの主成分はミルセンとβカリオフェレンであることは明白ですね。 ちなみに、このCBDとTHCはカナビノイド類(Cannabinoid)と言い、それ以外はテルペン類と言います。 CBDオイルのTHCは全く心配する必要がない そして、多くの方が心配されている、副作用の多い成分THCですが、この表を見て分かるのが、この濃いCO2エクストラクトでさえ、たった0.08%しか含まれていないのです。 つまり、更に他の植物油で希釈されているCBDオイルには更に低い濃度で含まれていることになります。現在、アメリカでは大麻が禁止されている州でも、国全体でTHCの0.3%以下の含有量は認めているので、CO2エクストラクトでも全く問題ないことがほとんどです。 日本ではTHCが含まれているのは法律上ダメなのか、風潮としてイメージが悪いからなのか、私が見た全てのブランドがTHCフリーのCBDオイルです。 ですので、THCの副作用は全くもって心配しなくて大丈夫だよ、ということですね。 CBDオイルの効果 では、CBDオイルにはどんな効果があるのでしょうか。CBDオイル、効果、と調べるとたくさん出てくると思いますが、ここではアロマセラピスト目線での成分の効果を中心にご紹介しますね。 ● 鎮痛作用 ● 鎮静作用 ● 抗炎症作用 まず、βカリオフェレンといえばなんと言っても鎮痛効果。アロマ界で鎮痛作用といえば、サルチル酸メルチの多いウィンターグリーンやバーチですが、それらのサロンパスのような独特の香りに苦手意識を持つ方も多いはず。 そんなときにβカリオフェレンの多い精油で代用するのは、アロマセラピストの間では知られたテクニックだったりします。そのときに使われるのは、ブラックペッパーやコパイバだったりもしますが、CBDオイルにはβカリオフェレンだけでなく、同じように鎮痛作用のあるCBDも含まれているので、更に高い効果が望めます。 更に、これらの成分やピネン類は抗炎症作用も高いので、怪我の際のオイルやクリームなんかにも適しています。 スキンケアにも多く使われるので、炎症肌へのフェイスクリームにも良いですね。個人的にはアレルギー性鼻炎にCBDオイルを使いましたが、鼻詰まりが解消したりと、とても重宝しました。 そしてCBDやリナロールの効果でも知られる鎮静効果はCBDオイルの定番の効果かも知れません。不眠気味で夜寝られない方にも良くて、不安症の動物にも使用できるとのこと。ペット用の商品も多く、CBDオイルだけでなく、ペット用おやつなんかも出回っています。 カナダの会社でTilrayという医療用大麻の栽培、製品開発の会社があるのですが、ここではメディカルカナビスの臨床試験にも携わっていて、小児がんのてんかん発作の緩和などに良い結果をもたらした、といった研究結果もあります。 あとは、キモセラピーの副作用である吐き気の症状にも、CBDオイルが効果的であるかもしれないとのことですので、まだ医療界では正式に認められていないにしても、今後が楽しみですね。 メルマガもどうぞ 今回はお話ししていないTHCやCBDの効果は以前メルマガでもっと詳しく書いています。登録すると過去のものも見られるようになりますので、よろしければぜひご登録してみてください。配信は不定期ですが、完全無料です。 メルマガ登録 CBDオイルの使い方 では、ここではCBDオイルの使い方を解説していきます! CBDオイルの主な使い方3選! 前の章でもも少しご紹介していますが、使い方としては主にこの3つかと思います。 ● 舌に垂らす ● クリームやキャリアオイルに混ぜて塗る ● 食べ物や飲み物に入れて摂取 1つ目は、最もよく使われる方法で、舌に垂らして摂取する方法。 これは舌の下方に垂らしたほうが、あまり味を感じずにすみます。そもそも、そんなに味はないのですが、ちょっとした苦味はありますね。CBDオイルのブランドの中には、香料もブレンドしているブランドもあります。 私が使っている会社のものは、無味のものとフレーバー付きの両方が選べます。こちらの方が使いやすいのでオススメです。 また、ペットの犬や猫に使いたいときも、こんな感じで直接垂らして使用できるみたいですね。 もし、アロマクラフトを作ったことがある方なら、いつもの要領で精油の代わりにCBDオイルを使うことができます。 CBDオイルを使ったフェイシャルクリームや、やけどや切り傷用の軟膏を作ったり。あとは単純に他のキャリアオイルとブレンドして、肌に塗る使い方もできますね。 CBDオイル自体、既に希釈されていますので、直に肌に塗って良いものも多いと思いますが、他のキャリアオイルなどの基材を使うことで、基材の効果も得られるベネフィットがあります。 ヘンプシードオイルとはとても相性が良いですね。緑色がキレイで、同じように抗炎症作用があり、栄養価の高いオイルなので塗布使用にも、飲用にもおすすめです。 最後は飲み物や食べ物に入れる方法。これはアメリカでは最近カフェやレストランでも取り入れているところがあり、CBDコーヒーやラテなんかが多いです。 ですので、自分で煎れたハーブティーやコーヒーなんかに入れたり、スムージーも良いですね。食事であれば、サラダドレッシングやソースにブレンドすれば、苦味を感じません。このような飲み物や食事に混ぜる場合は、あまりフレーバーのないものが良いですね。 まとめ いかがだったでしょうか?個人的には、今後カナビスの効果が広く認められてほしいな、と思っているので、CBDオイルの臨床試験で良い結果が出ることは楽しみにしています。中には、まだカナビスに対するネガティブなイメージはあると思いますが、今回のCBDオイルは決して危険なものではないよ、ということを知ってもらえたら嬉しいです。

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アメリカ アロマ界

2021/8/20

【アメリカ発】気を付けたいアロマブランド!∼アマゾンユーザーは絶対に見て∼

アマゾンは何でも買えるし便利♪ 精油もここで買ってるよ!という方には絶対に見てほしい、アメリカのアマゾンで今でも売っている邪悪な偽物アロマブランドを紹介するよ。 すっかり秋も後半になりましたね!紅葉も終わり、徐々に寒い日も出てきました。最近、日本のアロマ関連の記事を読んでいた時に、海外のブランドなら安心できる、といった記述を目にしたこともあり、今日はアマゾンユーザーには特に気を付けてほしい、アマゾンで買える偽和精油ブランドをご紹介します。 記事でお話すること 1, 偽和精油とは?  ・主な精油の偽和手法5つ!  ・なぜ偽和されるのか? 2, 気を付けてほしいアメリカのアマゾンアロマブランド  ・アーティゼン ~Artizen~  ・エイチビーエヌオー ~HBNO~  ・レインボーアビー ~Rainbow Abby~  ・サンエッセンシャルオイル ~Sun Essential Oil~  ・マジェスティックピュア ~Majestic Pure~ 3, まとめ 偽和精油って何? 以前、アメリカの精油科学者、ロバートパパス氏のエッセンシャルオイルユニバーシティーのFacebookで、偽和精油を暴露しよう!のコーナーがあったのですが、そこでは様々なブランドの精油たちが上がっていたんですよ。中には、こんな有名な会社も?!っていうような会社もあり、それはアメリカのアロマの品質が疑われても仕方ない、と思うほど。 今日は、これまで明かされてきたアメリカのアマゾンで販売されるインチキブランドたちを一挙ご紹介します。かなり広まっているので既に知っている方も多いと思いますが、現在のサイトも見ながら一緒に確認していきましょう。 まず、偽和精油が何なのか分からない方のために、その意味から説明します。 主な精油の偽和手法5つ! 偽和精油はその名の通り、偽和された精油、つまり本来の精油の定義ではない偽物のアロマ、ということになります。これは精油の定義を理解していないと、何が偽物で何が本物なのかイマイチ分からないかと思いますが、精油が偽和される方法として以下のことがあります。 ① ボトルに表記されているものではない植物を使う ② ボトルに書いてある植物以外の植物も混ぜる ③ 人工的に他から採られた成分を混ぜる ④ 増量剤を入れる ⑤ 完全に人工的な成分で構成される といったものがあるかなと思います。精油には必ず使われる植物の学名を記載しなければなりません。 一つ目の偽和方法は、その記載にあった植物ではない全く別の植物を使う偽和方法です。これは例えば、メリッサだったり、ブルータンジーなどの精油が挙げられます。もっと安い植物で香が似ている植物だったり、同じ属名の別な植物だったりを使い、あたかも本物として売られることがあります。 二つ目は一つ目と似ていますが、ちょっと違います。これは、いくらかは本来の記載通りの植物を使っていながら、ほとんどは別な植物を使う偽和方法です。これはわりとよく使われる方法で、高価な精油だけでなく、ラベンダーやペパーミントなどもこの方法で偽和されることが多いです。これは、精油に使われる植物に、かなり近い似たような安価な植物があると、よくこの偽和方法が使われます。 三つ目は、主成分の割合が多いものや、高価な精油にはありがちな偽和方法なのですが、その精油の主成分を人工的に作った成分だったり、他の植物から抜き取った成分を混ぜて偽和します。これは、サルチル酸メチルが90%以上のウィンターグリーンやバーチの精油に良くみられます。あとは、フランキンセンスやタイムなんかも多いですね。つまりは増量剤として同じ成分(出所が違う)を入れる、という手口です。 四つ目は単純に増量剤を入れる偽和方法。これはおそらく最も多い偽和方法でしょうね。一番簡単で、コストがかからないからです。この増量剤とは、例えばキャリアオイルとしても使われる分別蒸留ココナッツオイルなどの、軽めの植物油だったり、石油系の成分とかアルコールなんかを混ぜます。これは、アロマのブレンドが得意な方なら一発で偽和されているのが識別できます。 五つ目は、完全に人工成分で作られた精油です。これはどの精油に対しても行われる方法ですが、その背景には、香水や雑貨としてのアロマオイルを販売している会社だと、当たり前のように売られています。この場合は、どちらかというと精油やアロマセラピーの目的ではなく、あくまで芳香剤的に使うのを目的としている場合があるので、それなら別に良いと思います。ですが、中にはアロマセラピーや、エッセンシャルオイルと言いながら、完全別物の人工香料を売りつける会社も存在します。 今日ご紹介するものには、どの偽和手法が使われているのかも見ていきますので、この番号は覚えておいてくださいね。 なぜ偽和されるのか? そもそもなぜ偽和されるの?と思う方もいますよね。90%以上の場合はコスト削減して利益を得るためですね。 例えば、偽和される前はまともな精油だったのに、それに安価な増量剤を加えて安く大量に売る、という方法を取ったり、完全に人工的な安い成分を適当に調合して、香水の感覚で偽和精油を販売する、ということが起こるのです。 あとは、とある有名精油会社Y社ではないですが、高度な小賢しい技術を使い、素人なら絶対に分からない方法で偽和することで、自分の技術の高さに酔いしれる快感をもつような科学者もいるかもしれませんよね。 ですので、偽和されるには色んな背景があるのでしょうが、私たち消費者は、品質の良い精油を見分けらるための知識や嗅覚を鍛える、ということが重要になってきます。 アメリカアマゾンの粗悪なアロマブランドを見ていこう アマゾンは私も大好きで、日用品の定期購入には欠かせない会社です。ですが、アマゾンに売られているのは必ずしも高品質だったり、安全なものではありません。 今日ご紹介するのはあくまでほんの数例ですので、他にも気を付けたいブランドはたくさんあると思いますが、今回の記事を参考にして、自分でも確かめられるようになってくださいね。では今日紹介するアロマブランドの一覧はこちら。 ① アーティゼン ~Artizen~ ② エイチビーエヌオー ~HBNO~ ③ レインボーアビー ~Rainbow Abby~ ④ サンエッセンシャルオイル ~Sun Essential Oil~ ⑤ マジェスティックピュア ~Majestic Pure~ Artizen 一つ目の会社はArtize。(この会社の公式ウェブサイトはこちら。)こんな会社聞いたこともありませんでしたが、アマゾンを見てみましょう。 こちらをクリック まず、精油14本入りパックが$15で購入できることからして、既に胡散臭いニオイ満載です。 ラベンダーの精油が紫色をしている。。この時点で着色料を使用している(本来精油にはない成分が入っている)のでもうアウトですよね。これは人工成分だとか自然成分だとかは関係ないです。 注目してほしいのはここです。ラベンダーの精油が1オンス(30ml弱)が$8であることに加え、許せないのが100% Pure&Natural Undilutedなどと書いてあります。100%天然で希釈されていません、って書いてあるんですよ。これじゃ信じてしまう消費者はたくさんいますよね。レビューも怒濤の4.5ですよ。アマゾンのレビューが信じられないのが明白ですよね。 普通、ラベンダーの精油できちんとLavandula angustifoliaから抽出された精油であれば、15mlでも$20はします。 パパス氏のFacebookによると、ここのネロリの精油とバニラ精油といった胡散臭いオイルを調べると、ネロリはほとんどが人工的な香料で、香水によく使われる成分、ジプロピレングリコールが入っていたのだとか。 また、バニラには“精油”というものはそもそも定義上存在しないのです。バニラオイルやバニラエッセンスのことでは?と思う方もいらっしゃると思いますが、それらはバニラビーンをオイルやアルコールに漬け込んで、芳香成分を抽出したものです。バニラの香の成分はバニリンと呼ばれ、大きな分子のため水蒸気蒸留法では抽出できないので、そもそも精油の定義から外れているのですね。 このブランドのバニラの精油というものは、ただの人工香料のようです。 この会社の商品をみると、オレンジの精油はオレンジ色に、レモンの精油は黄色に染まっていて、サイトを見ながら色を楽しむだけで十分ですね。。 ちなみに、ここは先ほどの1~5の中で5番目の偽和方法に該当します。 HBNO∼Health&Beauty Natural Oil∼ 二つ目がHBNO。(会社の公式ウェブサイトはこちら。)この会社も知りませんでしたが、見た目は可愛らしいボトルで、清潔感のあるお洒落な感じはありますね。 こちらをクリック ですが、よく価格を見ると4オンス(120ml)のラベンダーの精油が$14って。。これは先ほどのArtizenよりも酷い安さです。公式サイトにいくと、明らかなカラフルな人工香料ボトルがトップ写真になっているところを見ると、アロマを全く知らない素人が経営しているであろうことは一目瞭然。 パパス氏によると、ここのラベンダー40/42を購入して分析すると、当時この会社のサイトに載せてあった分析レポートと合致しなかった、と話しています。ラベンダーの成分とは程遠いとのこと。成分が人工かどうかは記載はありませんでしたが、これも先ほどの偽和精油手法の⑤に当たると思われます。 Rainbow Abby 3つ目はRainbow Abby。(公式サイトはこちら。)中国語の記載があるので、中国の方が経営しているのかしら。ここはアマゾンでもショップを作っているようで見やすいですね。 こちらをクリック 個別の商品ページに行くと、 こちらをクリック ありました。ラベンダーが30mlで$14。HBNOよりはマシですが、30mlでこの値段はあり得ませんね。 何より、5mlのローズとジャズミン。二つセットで$11って、一本当たりでも0が1個足りませんよ。。というか公式にジャズミンエッセンシャルオイルなんて名前を使うほどですので、アロマセラピー初心者ですらない表現ですよね。大衆に分かりやすくしたいための表記としてそうしていても、そのジャズミンオイルの詳細の記述もありません。ローズの商品ページにはこんな記述もあって、 Premium Grade Rose oil - Distilled from the petal of Bulgarian fresh rose , without any synthetic additives, ensure 100% pure therapeutic grade quality.     ローズオイルのAmazonショップページ プレミアムグレードのローズオイル、一切人工成分を含まない、確かな100%純粋セラピューティックグレード、などと謳っています。これでは精油のグレードの表記など関係ないですね。 パパス氏いわく、ローズの精油はガロン売りのホールセールでどんなに安く買っても、10mlを$10で買うことは不可能。調べるまでもないとのことです^^ この精油は分析していないので、どのタイプの偽和手法か分かりませんが、おそらく④か⑤の安さではないかと思います。  Sun Essential Oil そして4つ目はSun Essential Oil。(公式ホームページはこちら。)ここもアマゾンで見てみましょう。 こちらをクリック 出ましたねこの価格。もうどこも同じに見えてきます。このラベンダーだけ見ても偽物であることを物語っていますね。 4オンス、つまり120mlで$8ですから、よくラベンダーの精油の偽和に使われる、ラベンダーに似たラバンジンでも、この価格で販売するのは難しいですよね。そもそもラベンダーの精油とユーカリの精油が同じ価格で提供できるわけがない。。 パパス氏はこの会社に関して、ここで売られているオイルは全てにおいて安すぎて話にならない。バニラオイルがエッセンシャルオイルと表記されているのが偽物だと分かる、などと言っていましたね。 明らか過ぎるので分析もしていませんが、偽和手法⑤で間違いなさそうです。 Majestic Pure 最後はMajestic Pure。(公式サイトはコチラ。)アマゾンを見てみると、 こちらをクリック ここが一番価格が高いですね!それでも120mlで$21とあり得ない安さですけれども。 ここはパパス氏が3年前に分析して多くの方がシェアをしているので知っている方も多いかと思います。分析結果などはEOUのFacebookで見られます。 これによると、ほとんど人工香料で、ラベンダーの成分は全く入っていなかったとか。 最も怖いのが、この精油にフタル酸ジエチルが増量剤に使われていたこと。これはWikiで調べても分かりますが、毒性が強く、燃焼すると有毒ガスを起こすとあります。これはアロマポッドなどを使っている人には健康上の被害が出ますよね。本当に危険だと思います。ロットナンバーによって、この成分が含まれていないものもあったとありますが、どれに入っているかなんて私たちは分かりません。 ここは精油だけでなく、キャリアオイルなどの他の製品も気をつけないといけませんね。これだけ混ぜ物や人工成分で成り立っているにも拘わらず、100%純粋、ナチュラルなどと書いているのが、どんな神経しているんだって思ってしまいますね^^; 偽和手法は明確に⑤の手法です。 まとめ いかがだったでしょうか?海外のブランドなら安全!と思っている方、それは危険であることが少しご理解いただけたかと思います。今回のAmazonのブランドはあまりにも悪すぎますが、セラピストもよく使うであろう有名な精油のブランドでも偽和されていたこともあるんですよ。アメリカだけでもかなり多くの偽和精油が出回っているので、どこに地域に住んでいても、品質のしっかりした精油を選んで使っていきましょう。

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アロマ界 カナビス

2021/7/23

【アロマセラピスト直伝】カナビスの精油・ヘンプオイル・CBDオイルの違いを徹底解説!

ヘンプオイルとカナビスのアロマオイル、CBDオイルって何が違うの?という方のために、今日はそれぞれの違いを解説するよ。 こんにちはEarth Giftです。 アメリカではブームとも言えるメディカルカナビス(医療用大麻)ですが、これら医療目的のカナビスの使用は多くの州で合法になり、中には嗜好品カナビスも徐々に認められるようになってきました。 アロマ界でも精油やCBDオイル、ヘンプオイルなんかが出回っていますが、そもそもそれらって同じもの?と疑問に持つ方も多いハズ。そもそもカナビスとか大麻、マリファナなど、様々な呼び名もあるし、なんとなく違う気がするけど、その違いが知りたい!という疑問に答えるべく、今日はそれぞれの違いを徹底解説します。 記事でお話すること 1, カナビス関連の用語について解説 ・カナビス、ヘンプ、マリファナの違い ・カナビス製品も違法薬物なのか? ・カナビスの精油やヘンプオイル、CBDオイルはTHCが入っているの? 2, カナビスの精油(アロマオイル)、ヘンプオイル、CBDオイルについて ・3つの違いのポイントを表で見てみよう♪ ・カナビスの精油(アロマオイル) ・ヘンプオイル ・CBDオイル 3, カナビス製品のオンラインショップを紹介 ・Essential Oil Analysis(エッセンシャルオイルアナリシス) ・DESROSIERS International(デスロジアズ・インターナショナル) ・Mountain Rose Herbs(マウンテンローズハーブス) ・Plant Therapy(プラントセラピー) 4, まとめ カナビス用語を整理しよう まず、カナビスのアロマやヘンプオイルなどの前に、カナビス関連の用語を整理していきましょう。 私はアメリカに住んでいるので、あまり日本でカナビスがどのように伝わっているのかが分からないのですが、肌感覚では、日本では大麻やマリファナ、といった名前で浸透しているように思います。 しかし麻(あさ)という呼び名や、ヘンプなんてのもある。最近ではカナビスやカンナビス、といった名前も聞くようになり、一体どれが何なの?って思ってしまいますよね。 結論を言うと、例えどんな名称で呼ばれていようとどれも同じ植物です。 カナビス、ヘンプ、マリファナの違い 日本では麻というと、カナビスの植物という意味もありますが、その多くは繊維の意味を持つことが多いように思います。そして大麻というと、英語圏のマリファナのように、ドラッグや薬物などの少しネガティブなイメージになっているように思います。 実はアメリカでも同じで、多くの人がそれら違う呼び名について、それぞれの厳密な違いは分からなくとも、感覚で使い分けている風潮はあります。 例えば、マリファナは違法薬物、ヘンプは繊維や素材などの麻。そしてカナビスもしくはカンナビスは医療用、といったように使わけているように感じます。 ですが、 これら3つの呼び方はどれも植物は同じものです。 カナビスは厳密には多くの種類があると言われているのですが、その代表となる種類の学名がCannabis sativaとCannabis indicaが多いですね。 このカナビスとカンナビスは、この学名の最初の部位である属名から来ています。nが2個続いていることからカンナビス、と呼ぶ方が多いと思いますが、実際英語圏で発音を聞くとカナビスのほうが近いように思います。 カナビス製品も違法薬物なのか? カナビスもマリファナも同じだ言うと、カナビス製品も違法薬物なのか?という疑問も出てきそうですね。 そもそも、カナビスに”違法薬物”というイメージがついたのも、アメリカの歴史が大きく関わっているのですが、この呼名のせいで長年色々な誤解を生んでいるように思います。 アメリカではカナビス製品の売買は各州によって法律が決められているのですが、その法律から隠れて違法で出回っているカナビス製品のほとんどは、ただのカナビスの植物そのものだったり、カナビスのべーパーやスナックなどで、これらはコカインや覚醒剤といった類の毒性の強いドラッグ、とは程遠いものです。 稀に、マリファナだと偽り、THCのような覚醒作用を強力化した合成した人工成分などが出回っているのですが、これは確かに危険な違法ドラッグですが、カナビスとは何ら関係ありません。 医療用カナビスを応援している身としては、こういったものが出回るのは本当に迷惑な話なのです! また、カナビスがドラッグだと言われるもう一つの理由に、先程のTHC(テトラヒドロカナビノール)の成分があります。 カナビスの植物にはTHCという成分が入っているのですが、このTHCには覚醒作用をもたらす効果は確かにあります。ですがそれはアルコール飲料でも同じで、要は摂取量に気をつければ全く問題ないのですね。 むしろ他の薬理効果があったり、THC以外のカナビスの成分にも大きなベネフィットがあったりします。後ほど説明するCBDオイルはその代表例です。 アメリカではTHC成分の入った商品には国(フェデラル)の規定があります。0.3%以上のものはカナビス製品と定められてしまうのですが、逆に言えば、0.3%以下であれば、例えカナビスが禁止されているような州でも合法的に売買可能なのです。 カナビスの精油やヘンプオイル、CBDオイルはTHCが入っているの? アロマ界でよく使われるカナビス製品は、ヘンプオイルやカナビスのアロマオイル(精油やCO2エクストラクト)、CBDオイルかと思いますが、それらにTHCが入っていないか心配、という方も少なからずいらっしゃると思います。 結論から言うと、それらの製品も規定通りに作られるので安心していただいて大丈夫です。 それらの製品に対するTHCですが、まずヘンプオイルや精油には含まれません。これはカナビスの精油やヘンプオイルの抽出方法故、物理的に含まれることが困難ということです。 CO2エクストラクトやCBDオイルになってくるとTHCが含まれますが、きちんと販売元がTHCの量を調節しないと販売できないことになっている、つまり精油でもCBDオイルでもTHC量の規定は例外ではありません。 多くの会社がアメリカ全州で販売しても大丈夫な0.3%以下で作っています。むしろ、それよりもカナビスの偽和精油や、CBDなんて入っていない偽物のCBDオイルが多く出回っていて、そっちのほうが心配かと思います。 カナビスの精油、ヘンプオイル、CBDオイルについて ではここから、この3つの製品を一つずつ解説していきます。 3つの違いのポイントを表で見てみよう これら3つの製品の違いは、抽出方法と植物の使用部位によります。 精油 CO2エクストラクト ヘンプオイル CBDオイル 植物の部位 アエリアル アエリアル 種 アエリアル 抽出方法 蒸留法 二酸化炭素抽出 コールドプレス 抽出油 THC なし あり なし 調整 このアエリアルというのは英語でAerial。空気に触れているという意味を持ちます。これは葉や茎、花などの植物の頃に空気に触れている部分を指すときによく使われる表現です。根や種以外の部分であることが多いですね。 カナビスのアロマオイル 私はアロマオイルという言い方は普段しないのですが、分かりやすいためにこの表現を使用しています。要は精油(エッセンシャルオイル)やCO2エクストラクト、アブソリュートのことです。 カナビスのオイルで、アブソリュートは聞いたことがないですが、精油とCO2エクストラクトは実際に販売されています。精油は、カナビスの植物の葉や茎など、空気に触れている部分全てを蒸留法で抽出します。 つまり他の精油と同じ抽出法になるので、蒸留法で抽出できないような重たい分子量の成分は抽出できません。カナビスの精油にTHCやCBDが一切含まれないのはこのためです。 カナビスの精油の主成分は、βカリオフェレンとミルセンが互いに30%ほどと主成分となり、その他フミュレン、ピネン、リナロール、リモネンなどが多少含まれているくらいです。ですので、精油でも抗炎症作用や鎮痛作用が期待できるのですね。 CO2エクストラクトは二酸化炭素抽出法で抽出されます。原理はアブソリュートのようなものですが、使用する溶剤をヘキサンではなく液体二酸化炭素を使う、といった方法ですね。 この二酸化炭素抽出法を取ることで重たい成分も抽出できるようになりますが、CO2エクストラクト含まれる成分は、主成分もその他の少量成分もほとんど精油と同じです。THCやCBDも含まれるようにはなりますが、それでも極微量の割合です。 使用するカナビスが、より雌しべの部分が多かったり、エッセンスが多ければ多少の違いはあるかもしれませんが、それでもCBDは1~5%程度、THCは1%未満で0.1%とかそのような程度です。どちらも使い方は他の精油と同じですが、効能の特徴柄、塗布か飲用がおすすめですね。 ヘンプオイル ヘンプオイルはキャリアオイルの一種として扱われる植物油です。ですのでこれは精油とは違い、単体でも肌に塗るなどで使用できるものです。 ヘンプオイルは種をコールドプレス法で抽出するので、ヘンプシードオイルとも呼ばれます。コールドプレスはだいたい50℃以下の温度で処理されると言われていて、50℃はあまりコールドじゃないな、なんて思ったりしています。香りはちょっと緑くさい、なんというか、漬物のような香りで^^;、色は綺麗な緑色をしているので、見ているだけでも癒やされたりしますね。 こんな感じの色です。以前クリーム作りをしたときの写真です。 この緑は葉っぱの色??と思われがちですが、そうではなくクロロフィルといって、種に含まれる天然色素によるものです。 さわり心地はちょっと重めなので、マッサージなら他のキャリアオイルと混ぜて使うことが多いです。私が一番使うのは、スキンケア系のクリームやボディバター作りの基材として使うことが多いです。 ヘンプオイルはサプリメントとしてもかなり健康へのベネフィットが高いです。私がいつも買っているショップでは、最近食用の高品質なヘンプシードオイルも置き始めて、香りや味が濃厚でとても美味しいです。 ヘンプシードオイルにはオメガ9のオレイン酸やオメガ3のリノレン酸、ビタミンEなんかが含まれていて、抗酸化作用や抗炎症作用などが優れています。 なので、カナビスの精油とブレンドしたサプリメントは、体の炎症に最高に良い組み合わせなんです。ちなみに、ヘンプシードオイルはそのまま口に入れるサプリメントには良いですが、お料理する際はあまり加熱しないように気をつけましょう。サラダドレッシングが一番おすすめです。 稀に、日本で販売されているCBDオイルは、ヘンプオイルと表記されて販売されているのを見かけます。こんな感じの見た目: 次の章でお話しますが、ヘンプオイルとCBDオイルは本来全く別物ですので、もしお店でヘンプオイルと表記されているのに、15ml、30mlの小さなスポイトタイプの容器で売られていたら、CBDオイルの可能性があるので、きちんと中身を確認するようにしてくださいね。 CBDオイル では最後にCBDオイルですが、これはカナビスの成分のCBD:カナビディオールという成分が含まれているオイルのことを指します。 とはいえ、厳密な定義は定まっていないように思いますので、カナビスエクストラクトといった表記になっていても、おおよそCBDオイルのことと思って良いと思います。名称では分からないような曖昧な場合は、何が入っているのか成分を必ず確認しましょう。 CBDオイルの多くは、カナビスの植物をオリーブオイルやサンフラワーシードオイルなどに漬け込んで成分を取る、抽出油を利用しています。中にはCO2エクストラクトを他のキャリアオイルで希釈して販売しているところもあります。 CBDは法律に引っかかるものではないので、CBDの含有量が多くても問題ないです、THCがどれくらい含まれているのかで販売に規制がかかります。なので、多くの会社は0.3%以下に調整しています。 CBDには抗炎症や鎮痛効果、抗癲癇作用などさまざまな作用が報告されていますね。CBDオイルは飲用がメインで、舌に垂らすといった使い方がメジャーですね。 アロマを学んでいる方は、塗布使用をされる方も多く、アロマクラフトとして、自家製痛み止めクリームやローションなんかも作れます。場合によってはCO2エクストラクトをキャリアオイルに混ぜてCBDオイルとして販売しているお店もあります。 CBDオイルは品質の差が非常にばらつきが多いので、必ずお店のカスタマーサポートに、そのCBDオイルがどのように作らえているのか、何%(何mg)のCBDが入っているのか、できれば成分分析も確認してから買うことをお勧めします。 メルマガもどうぞ 今回はお話ししていないTHCやCBDの効果は以前メルマガでも書いています。登録すると過去のものも見られるようになりますので、よろしければぜひご登録してみてください。配信は不定期ですが、完全無料です。 こちらからどうぞ カナビス製品のおすすめショップ ということで、最後に私のおすすめのショップをご紹介します。 ● Essential Oil Analysis(エッセンシャルオイルアナリシス) ● DESROSIERS International(デスロジアズ・インターナショナル) ● Mountain Rose Herbs(マウンテンローズハーブス) ● Plant Therapy(プラントセラピー) DESROSIERSについては以前紹介しているので、よろしければこちらの記事を御覧ください。 今日はそれ以外の3つをご紹介したいと思います。 Essential Oils Analysis まずはEssential Oils Analysis。ここのオーナーのRoxanneさんは私がFacebookのグループ色々あったときにとてもお世話になった方です。アロマ界の精油化学者、ロバートパパス氏と一緒に仕事をされており、現在オンラインショップを持ちながらパパス氏が蒸留や分析に携わっている高品質なカナビスオイルを販売しています。 ここでは精油とCBDオイルを販売していて、CBDオイルオイルは色んなフレイバーがあるんですよ。久しぶりにチェックすると種類が更に増えていますね! 以前私はフレーバーがないものとバニラミントを買ったのですが、バニラミントの美味しいこと!これは本当におすすめです。 もちろん、甘くないのですがペパーミントの精油と自然なバニリンの成分をブレンドしていて、鼻炎の症状が出たときには最高の助っ人です。あとはダークチョコレートミントもおすすめ。 詳しくはコチラ Mountain Rose Herbs ここはアロマクラフト作りの基材購入に御用達のお店。精油からハイドロゾル、キャリアオイルに抽出油、ドライハーブ、ハーブパウダーと何でもあります! 精油に関しては、色々なサプライヤーから買い付けているため、必ずしも品質の高いものではないのですが、ものによっては良いものもあります。私はここでは精油以外の製品、とくにキャリアオイルはとっても重宝しています。 ここは精油やCO2エクストラクトは置いていないのですが、ヘンプシードオイルは2種類あって、コスメティックグレードのもの(それでも飲用も可能)と、クリナリー用のオイルがあります。 このクリナリーとは台所の、という意味なんですが、要は食用に作られたオイルなので、サプリメントやサラダドレッシングなんかに使いたいときにすっごくおすすめです。細長い瓶に入っていて見た目も素敵なのと、とても香りも深くて綺麗な緑色をしています。 最初慣れていないとちょっと緑臭さが強いかもしれませんが、効能を知ってから使うと、それも効果の一部と思えるのですぐ慣れますよ^^ コスメグレードはプラスチックボトルに入っていて、こちらはもう少し明るい色の緑ですね。香りもクリナリーよりも軽めでナッツのような香りで、最初はこちらから使うのが良いかもしれません。クリーム作りなんかにはこちらをどうぞ。 詳しくはコチラ Plant Therapy ここではCO2エクストラクトとCBDオイル、ヘンプオイルが置いてあり、アメリカで最も有名なブランドの一つです。 数年前は偽和精油問題があって毛嫌いしていたのですが、最近ではロバートティスランド氏が携わるなど、だいぶ改善されて、以前買ったオーガニックのベルガモット精油とても良かったことや、ヘンプオイルも良かったので、今ではお気に入りの精油会社です。 まあヘンプオイルに関しては、先程のMountain Rose Herbsが一番ですけども^^ ここのCO2エクストラクトやCBDオイルはきちんと成分分析がされていて、色んなフレーバーがあります。様々なCBD商品などもあるので、自分でクラフトを作るのが大変な方とか、パッケージも可愛いので、誰かにギフトを贈りたいときにはとてもおすすめですね。 注意点としては、ここのお店はアメリカ国内のみに発送可能ですが、CBDオイルやCO2エクストラクトはTHCの含有量故、州によって発送できないところもあるので、必ず確認してくださいね。 詳しくはコチラ まとめ いかがだったでしょうか?他にもおすすめがあるのですが、長くなるので今日はこの辺にします。ぜひカナビス製品も使ってみてくださいね。

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アメリカ アロマ界

2021/7/21

アメリカにおけるアロマセラピーの資格について【資格の仕組み、学校紹介など】

今日はアメリカにおけるアロマセラピーの資格について、その種類や仕組みなどを細かく解説するよ。 こんにちはEarth Giftです。 今アメリカでは大統領選挙で話が持ちきりです。先週、バイデン氏が半数以上獲得して街は大騒ぎになりましたが、まだ結果が出たわけではなく、しばらくこの騒ぎは収まらなそうですね。 さて、今日は多くの方が疑問に持つ、アメリカでのアロマセラピーの資格についてです。おそらく日本でも、アロマの資格にはいくつか種類があるかと思いますが、アメリカでも複数存在します。 ですが、アメリカでは日本とはちょっと違った在り方であると思います。今日はそんな資格の扱いから仕組み、取得できる学校など、詳しく解説していきます。 記事でお話すること 1, アメリカでのアロマセラピーの資格とは? ・アメリカでのアロマセラピーの資格の扱い ・資格はどこで取得できるのか? ・大学で単位を取りながらアロマは学べないの? 2, 資格の種類と取得までの仕組み ・アロマセラピー協会と学校の違い ・アロマセラピー協会の種類 ・資格取得の方法 3, 資格が取得できる学校を見てみよう! ・The School for Aromatic Studies(スクールオブアロマティックスタディース) ・Aromahead Institute(アロマヘッドインスティチュート) ・Atlantic Institute of Aromatherapy(アトランティックインスティチュートオブアロマセラピー) ・American College of Healthcare Sciences(アメリカンカレッジオブヘルスケアサイエンス) 4, まとめ アメリカでのアロマセラピーの資格とは? これをお話するには、そもそも資格ってなんなの?というところから話さなければなりませんね。まず最初の章では、アロマセラピーの資格がどういった扱いなのか、どうやって取得するのかなど、基礎的な部分を解説していきます。 アメリカでのアロマセラピーの資格の扱い アメリカでもアロマセラピーの資格の扱いは日本と同じで、民間機関の認定証です。 例えば、お医者さんは国から認められたMedical Doctorの国家ライセンスを取得します。鍼灸師やマッサージセラピストは、お医者さんのような国家ライセンスではありませんが、数年間学校に通い、州規定のライセンスを取る必要があります。 ただしマッサージの場合、ナショナル・サーティフィケート(NCBTMB)というものもあります。これはアロマと同じような民間資格の認定証で、学生ビザ(移民ビザ)の留学生でも誰でも取得できますが、それでも数年間学校へ通い実務トレーニングをするなど、その条件はライセンス取得同様厳しいです。 アロマセラピーやハーバリストはそれらの類ではなく、オンラインのみでも取得可能な、簡単に取得できる資格の一つと言えます。 資格はどこで取得できるのか? アメリカの場合、アロマの資格を取る際に学校(インスティチュートやスクール)に通うこともできますが、多くの学校がオンラインでの資格コースも提供しています。 私が受けたNAHAの資格もオンラインで取得しています。アメリカでおすすめの学校は後でお話しますが、アロマのような民間資格というのは、規定が緩い分、 どの先生から学ぶのか?で得られるものが大きく変わります。 アロマセラピー教育のガイドラインは、協会によって定められていはいますが、それでもその内容は幅広いもので、教える先生の経験によって、アロマセラピーのどんなことがより詳しく学べるのか?が違うのです。そこは他の国家ライセンスや州の資格のものとは違うところ。なので効率よくアロマを学びたいなら、その先生が何に特化しているのか、を知る必要があると私は思います。 そして最大の魅力は世界中誰でも受けられる、ということ。アメリカのアロマ協会の場合、そのカリキュラムを学べるだけの言語力さえあれば誰でも取得可能。ただしこれは今後規定が変われば、その限りではなくなります。 大学で単位を取りながらアロマは学べないの? 米国在住者の方には聞かれる質問で、アカデミッククレジットのある学校ではアロマセラピーは学べないのか、ということですが、実はできるんです。 このアカデミッククレジットのある学校というのは、アメリカの教育省で認められた学校のことで、そこで学べる教科にはすべて単位が付くというもの。つまり、大学で単位を取りながらアロマを学べる学校もあるのです。 数は少ないですが、どちらもワシントン州にあるAmerican College of Healthcare Science(以下ACHS)、もしくはBastyr Universityです。 どちらの学校も私立なのと、公立校の奨学金は使えないので、とても学費は高くなります。ですが、各セラピストとして既に納税している方には奨学金が降りたり、民間の機関が学費サポートをしてくれることもあります。 BastyrはBachelor以上の学位が取得できる4〜6年制の大学で、前もって決められたサイエンスの単位を取得していないと入れないのですが、ACHSは2年制のAssociate学位のカリキュラムからあるので、高卒のでアメリカ生まれの市民であれば誰でも入れます。 もし移民の場合は、例え市民権保持者でも必ず言語テストがあり、それに受からなければまずESLからのスタートです。 ちなみに、ここを卒業するとアロマセラピーの国家ライセンスになるのか、といえばそうではなく、民間の学校で取得できるアロマの認定証と、学位を両方取得できるということです。そうすることで、Master of Science in Aromatherapyの学位を取得、と呼べるわけです。かっこいいですよね^^ 資格の種類と取得までの仕組み ではここでアロマセラピーの協会や資格の種類、その仕組や取得の流れなどを詳しく見ていきましょう。 アロマセラピー協会と学校の違い まずアロマセラピーの協会と学校の違いをお話します。これは日本でも同じかと思いますが、アメリカはアロマセラピー協会とスクールは別になっています。 協会はガイドラインを規定する機関で、スクールは協会と契約し協会にお金を払い、そのカリキュラムを使用して生徒に教えるところです。そして、その生徒がカリキュラムの学習を終えると修了証書(資格)が得られる、という仕組みです。 ですので、一概にアロマの資格がある、と言っても、どの協会の教えに沿って学習したのか?が違ってくることになるわけです。 ですが、アメリカの場合はそこまで協会に種類がないのと、小さなアロマ協会は他にあるとは思いますが、メジャーな協会は2つしかないです。セラピストによってはそのどちらも持っていることもあります。 アロマセラピー協会の種類 ここで、アメリカのアロマセラピー協会を紹介していきたいと思います。 ●National Association for Holistic Aromatherapy ●Alliance of International Aromatherapist ●Aromatherapy Registration Council 先程、メジャーな協会は2つと言いましたが、3つある?と思いましたよね。一つずつ説明していきますね。 まず1つ目は、通称NAHAと言われる協会で、アメリカで最も歴史ある大きな協会の一つです。 これは私が持っている資格のカリキュラムを提供している協会でもあります。現在のプレジデントはAnnette Davisさんという方。栄養士・アロマセラピストであり、フランスの医師・ホリスティック医学の専門医であるDr. Jean Claude Laprazに師事しながら活動していた方だとのこと。 余談ですが、私はこのDr. Jean Claude Laprazは知らなかったのですが、ジャン・バルネ先生にそっくりだったので、調べてみるとやっぱり繋がりありますね。一緒に漢方学などを学んでいたそうです。 ちなみに、前期プレジデントは私の尊敬するJade Shutesさんが務めていました。NAHAの歴史は、1990年にロンドンのアロマセラピーをアメリカで教えるために、数人のアロマセラピストがコロラド州ボルダー市に集まり始まりました。NAHAのカリキュラムは、アロマ界ではとても有名な著者であり教育者のPatricia Davis(パトリシア・デイビス)さんのコースに則って作られています。 パトリシアさんのスピリチュアルアロマセラピーの著書、 Subtle Aromatherapyは有名ですね! Amazonアメリカ  アマゾン 日本 2つ目は通称AIAで、AIAも、NAHAと二分するよく知られたアメリカのアロマ協会です。 こちらは発足が2006年とわりと新しいのですが、ここではより医療の専門家向けの協会にしよう、ということで始まりました。現在もその言い伝えは残っているのですが、今ではほとんどがNAHAとAIAは同じように扱われていて、カリキュラムも同じです。 ですので、同業者の資格コースにありがちな、どっちが良い悪いのような派閥争いはありませんのでご安心ください^^; 最後は通称ARCと呼ばれ、ここは厳密には協会ではないのですが、アロマセラピーの試験と資格を提供している機関です。 このARCはNAHAやAIAのようにカリキュラムを提供しているのではなく、このARCのRegistered Aromatherpist(登録アロマセラピスト)の称号がもらえる、というものです。あくまでこれも民間の称号で、ライセンスではありません。 ARCはもともと、先程のアロマが学べる大学でご紹介したACHSの学長である、Dorene Petersenさんが、彼女の大学でアロマを学んだ方のコミュニティーのために作り出した機関です。 ARCの会員になるには、ARCの試験を受ける必要があるのですが、その条件として、AIAやNAHAのカリキュラムを各スクールで習得するか、ARCの認定セラピストに師事しながら200時間の就学を終えた方は、この資格試験を受ける権利が得られます。 ですので、NAHAやAIAを持って、協会のメンバーの方なら誰でも受けられるのですが、NAHAやAIAのコースを受けた人の多くは、各自の協会のメンバーになれれば十分、という方が多い印象です。 ARCの会員になる方というのは、ARC会員の先生に直々に師事した場合が多いように思います。ですが、ARC会員になると、メンバー限定の特典などもあるようですので、興味がある方はこの試験も受けてみるのも良いと思います。 資格取得の方法 では、NAHAやAIAの資格はどのように取得できるのか?の解説に行きたいと思います。 まずは資格コースを提供している各スクールで、アロマセラピーコースを受けてもらい、そこでアロマレベル1とアロマレベル2の2つのコース(200時間)を修了すると資格取得ができます。 ただ、近年アロマレベル3ができ、これを取得するとさらに詳しく、実践的な内容が学べますが、これは今のところ、資格取得条件には入っていません。今後変わる可能性はあります。 ちなみに、学費は学校によって様々ですが、アロマ1,2両方受けて$1500〜$2000くらいかと思います。教材費も学校によって異なり、学費に含まれている場合もありますが、ほとんどが別売りになっています。 さて、200時間のコースを終了すると、最後は課題が待っています。学校によって課題内容が違うのですが、大抵は学校で提供しているオンライン筆記試験、ケーススタディー10〜20件、論文です。これらをクリアした人が無事に修了証書をもらえる、というものです。 そして、NAHAやAIAではその修了証書を見せると誰でも会員になれます。年会費は会員のプランによりますが、安いもので$125〜です。ここで会員になると、無料でテレセミナーやワークショップに参加できたり、シーズンごとの定期冊子を読むことができます。 ARCの場合は、先程言った条件に満たした方が試験が受けられるのですが、試験費用は$360(返金不可)、試験会場や試験日は各州によって決められています。(試験に関するリンクはこちら) ここで無事に試験に合格した方は晴れてRegistered Aromatherpistとなるわけです。ちなみに、このARCの資格は更新に条件があります。5年に一度$325の更新料を支払い、その間継続教育(Continuous Education)を決められた時間数受ける必要があります。 詳しくはホームページを見てみてくださいね。 資格取得ができる学校を見てみよう ということで、アロマセラピストになるための学校はどんなところがあるのか、私のオススメをちょっとだけご紹介します。 ●The School for Aromatic Studies ●Aromahead Institute ●Atlantic Institute of Aromatherapy ●American College of Healthcare Sciences もちろんこれ以外にもたくさんあります。ぜひ自分でも調べてみてくださいね。学校を選ぶ時に大切にしてほしいのが、どの先生から何を学びたいのかを決めること。 せっかく高い授業料を払うのですから、自分に合った先生が良いですよね。今回上でご紹介した学校のうち、最初の3校はよく知っている先生のいる学校です。 The School of Aromatic Studies 1つ目はアロマ界に革命をもたらしたとも言えるJade Shutesさんの学校です。Jadeさんを知ったのは私がアロマの資格を取って間もなくの2013年でした。 そのとき私は、もっと効率の良い実践的な部分が詳しく学びたくて、Jadeさんを見つけられたときは本当に嬉しかったです。Jadeさんはご自宅に素敵なハーブガーデンがあり、もともとハーブが好きで、レメディー作りが大好きな先生です。 ハーブを使うホリスティックセラピーとアーユルヴィーダがバックグラウンドにあるので、メディカルアロマとしての精油使い方や、レメディー作りだけでなく、よりスピリチュアルなsubtleな分野も経験豊富でした。 Jadeさんの教え方は、痒いところにも手が届くと言いますか、初心者が持ちがちなアロマ関連の噂だったり、そういったものも分かりやすく教えてくれるので、初心者の方にも、ある程度学んだ方にもおすすめです。 Aromahead Institute 2つめのAromaheadのオーナー、Andrea Butjeさんは、世界中を旅しながら新しい香りを探求するのが大好きな先生ですね。学校だけでなくアロマショップも経営されているので、知っている方も多いかと思います。 Andreaさんは自身がマッサージセラピストでもあるので、アロマセラピーだけでなく、ボディワークの知識も多い方です。日常生活でアロマを取り入れる実践方法だったり、アロマクラフト作り、ブレンディングがとても得意なので、初心者の方から経験者の方までおすすめの香りのプロ講師です。 Atlantic Institute of Aromatherapy ここはお母さんと娘さんのご家族で始めたアロマスクールで、オーナーがSylla Sheppard-Hangerさんで、娘さんがNyssaさんです。二人共とても仲良しで、見ていて癒やされたりもします^^ Syllaさんはあの有名な精油分析化学者、ロバートパパス氏と一緒に研究していた過去もあり、アメリカのアロマ界では一目置かれた存在です。 Syllaさんはこの3人の先生の中でも、一番科学的な分析に特化していて、実際に香りを使いながら、データに基づいてレシピを作ったり、科学的エビデンスも重視したい方はSylla先生がおすすめです。 もちろん、堅苦しい論理だけ教えるのではなく、ご自宅のお庭では季節のハーブなどを育てていて、それらを使ったレシピや、アロマ瞑想なんかはNyssaさんが得意です。 American College of Healthcare Sciences ここは先程ご紹介した、単位も取れる、アロマセラピーが学べる大学です。ここの学校にはそこまで知っている先生はいないのですが、時々ここで提供している書籍やウェビナーなどを利用していて、分かりやすくて気に入っていました。 ここの良いところはやはり大学の単位が取れること。もし、アメリカでホリスティックセラピスト、自然療法士として活動したい方は学位が欲しい方も多いと思います。 ACHSでは様々な学位コースが有り、アロマセラピーだけでなく、栄養士、ハーバリスト、ホリスティックビジネスなど、たくさんの魅力的なコースがあります。ACHSは唯一オンラインで受講可能な学校なので、興味のある方は、ぜひ一度問い合わせてみると良いと思います。 まとめ いかがだったでしょうか?今回の記事がこれからアロマの資格を考えている方の参考になれば嬉しいです。今後はアメリカのアロマ界の講師などもご紹介していきます。

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アメリカ アロマ界

2021/7/20

アメリカでおすすめオンラインアロマショップ!【品質の良い精油の選び方、気をつけたい購入先など】

アメリカに住んでて品質の良いアロマってどこで買えるの?できればマルチ以外でないかな。。そんな方に向けて、米国アロマセラピストがアメリカのオンラインアロマショップを紹介するよ。 ということで今日は、アメリカ在住の方向けに、品質の良い精油をオンラインで購入できるアロマショップをご紹介します。今回ここで紹介するのは、どれも個人的に愛用しているショップで、オーナーの方が精油のことをよく知っている、品質にこだわった精油会社です。 もちろん、ここで紹介されていないけど、他にも良い会社はたくさんあります。もし自分で探したい方のために、失敗しないブランドの選び方や、これは気を付けて!という情報も合わせてご紹介します。 既にアロマが興味がある方なら、マルチで有名なドテラやヤングリビングは知っていると思いますが、色々な噂もあるのでマルチ以外が良い!という方にもぜひ見てほしい内容です。 記事でお話すること 1, 間違えないアロマの選び方とは?  ・まずは価格チェックをさらっとやってみよう  ・成分表が見られるかを確認しよう  ・どんな人が経営しているか、どんな人が品質管理に携わっているかを調べよう 2, アメリカのおすすめアロマショップ  ・Aromatic International(アロマティックインターナショナル)  ・Enfleurage(アンフルラージュ)  ・StillPoint Aromatics(スティルポイントアロマティックス)  ・FROLACOPEIA(フローラコピア)  ・Desrosiers International(デスロジアインターナショナル) 3, 初心者は気を付けて!セラピストなら使わないショップ  ・大規模なオンラインサイトが良くないわけ  ・ナチュラルマーケットは必ずしも高品質ではない 4, まとめ 間違えないアロマの選び方とは? アロマを選ぶ上で品質が良いものを選びたいですが、とはいえどのように品質を見分けるのかなんて、初心者のうちは難しいですし、オンライン上じゃ香が試せるわけではないので余計に分からないですよね。 精油の品質といっても、安全に使用できるレベルの中だけでも、普通のものと、更に上を行く高品質なものとでも分かれるので、細かく語ればそれだけで一記事かけてしまうほど詳細はあります。ですがここでは簡単に、安全に使用できる精油を選ぶために、これだけはチェックしてね、という項目をご紹介します。 ① 値段は適切か? ② 成分表が見られるか? ③ どんな人が経営、または運営に携わっているかが分かるか? これらを順々に解説しますね。 まずは価格チェックをさらっとやってみよう これは誰でも分かることかもしれませんが、値段があまりにも安いもの、もしくは全ての精油に均等の値段が付いているブランドは避けましょう。 精油は芳香植物によって価格が全く違ってきます。例えば最も安い部類には、レモンやオレンジ、レモングラスなんかがありますが、これらは15mlでも$10以内で購入できます。しかし、最も高価で人気のあるローズオットーは、品質の良いものなら5mlの小さなサイズでも軽く$100は超えますよね。 ですが、こういった高価な精油は香が人気があるため、人工香料を混ぜたり、安価な増量剤と混ぜたりして、品質の悪いものが出回りやすいのです。ですので気になる会社を見つけたら、まずその会社が出している、一般的に高価な精油の価格をチェックしてみましょう。 ローズオットーやメリッサは5mlで$100以上はしているか?ローズはアブソリュートであればそんなに高くないですが、ジャズミンを含めて5mlで少なくとも$70以上が相場です。ネロリやサンダルウッドなどは5mlでも$50くらい。サンダルウッドはオーストラリア産だと価格は若干下がりますが、インドやハワイ産などは希少価値が高いので高価です。 成分表が見られるかを確認しよう そもそも成分表って何?と思う方もいますよね。アロマ界で使われる成分分析方法で、GCMS(通称ガスマス)という分析方法があるのですが、その分析で出されるのが成分表といって、英語ではComposition TableまたはGCMS Reportなんていう名前で書かれています。 一番良いのはその会社のウェブサイトに行って、サイト内に分析結果が載っている事。また、近年会社によっては、ショップサイトではない別のサイトを作り、成分表開示のために、ロットナンバーを入れると、その成分が分かるという画期的なシステムを取り入れている会社もあるくらいです。 当然、その成分表が正しいものかを見分ける力は必要なのと、必ずしも成分表がない=悪いブランド、というわけではないのですが、もし正しい成分表を公開している会社であれば、そこはかなり信頼が置ける会社と言えます。 どんな人が経営しているか、どんな人が品質管理に携わっているかを調べよう 一見大したことのないショップサイトでも、品質の良い精油の会社は多々あります。しかしながら、やはりカスタマーサポートに問い合わせたときに、いつも繋がらなかったり、質問に答えられないような会社は信頼が置けませんよね。 本当に精油を熟知したベテランが経営に携わっていれば、それを広めるためにウェブサイトやSNSで発信するものです。 その会社に精油の抽出や品質管理のエキスパートがいるかどうかは、ブログ発信だったり、FacebookやLinkedInのアロマセラピーのコミュニティーに入って率先的に発言していたり、または電話問い合わせをしたときに、明確に品質管理に関しては答えてくれるはずです。 もしもそれが当てはまらない会社は注意しましょう。 アメリカおすすめアロマショップTop5! ではおすすめアロマショップ一覧を見ていきましょう。 ① Aromatic International ② Enfleurage ③ StillPoint Aromatics ④ FROLACOPEIA ⑤Desrosiers International 実はこれ以外にも愛用しているショップはいくつかあるのですが、今回初の紹介で捨てがたいのはこの5社。早速1つ目から見ていきましょう。 Aromatic International ここはAromahead(アメリカのアロマスクールの一つ)のオーナーAndrea Budjeさんの経営するオンラインアロマショップです。Andreaさんは私が尊敬するアメリカのアロマ講師の一人で、彼女のブログも参考にさせて頂いてます。 アメリカのアロマ協会は、NAHAとAIAが最も大きなアロマテラピー協会なのですが、彼女はその資格コースを教えていて、アロマ歴も30年以上のベテランです。 そんな彼女のアロマショップでは、精油だけでも100種類以上!更にハイドロゾルやキャリアオイルも取り揃えてあり、とても種類が豊富です。 価格も平均的で、ショップページの各精油の下にきちんと成分表が検索できるようになっています。 一つ注意点は、ここで出しているヘリクリサムの精油ですが、異様に価格が安いなと思って学名をチェックしたところ、Helichrysum bracteiferumのタイプでした。これは、一般に知られるイモーテールと呼ばれるスキンケアに使われるHelichrysum italicumではありませんので、ご注意くださいね。 このHelichrysum bracteiferumは、italicumとは全く成分が異なっており、1,8シネオールが多く、次いでαピネン。ですので呼吸器系のケアにおすすめです。 Enfleurage ここはニューヨークの老舗アロマショップで、私が最もよく使うオフラインのお店です。ここはオンラインでも購入できるので、遠方にお住まいの方でも購入できます。 名前の読みはアンフルラージュ。アロマを知っている方ならピンと来た方多いですよね^^ そうです、伝統的な精油の抽出方法の一つですね。 アンフルラージュはショップだけでなく、定期的にアロマに関する無料のクラスも行っていて、精油の使い方などはもちろんのこと、精油の蒸留に関するお話とか、スピリチュアルなアロマセラピーのお話など、オーナーのJoe(ジョー)さんの長年の経験と体験談のお話が聞けるので、アロマの資格を持っているプロの方でも勉強になる興味深いお話ばかりです。 アンフルラージュはもともとフランキンセンスやローズ、サンダルウッドなど、一般に高価とされる精油やアブソリュートの蒸留にこだわり、そういった精油を抽出していました。 今でもフランキンセンスの蒸留所がオマーンにあり、ローズなんかは未だに古きアンフルラージュ法でアブソリュートを抽出しているのです。凄いですよね! 現在世界中の色々な農園の方々とつながりを持っていて、たくさんの種類の精油が置いてあります。 中には、ライラックなど、滅多にマーケットに出回らないレアの精油も置いていることがあるんですよ。 ここはいつも必ず同じ精油があるわけではなく、その時に旬な新鮮な精油が出たり入ったりします。メジャーな種類はだいたいいつも置いてありますけどもね。 オンラインだとレア精油の販売はしていないかもしれませんが、品質にこだわるオーナーの小さなアロマショップなので、安心して使用できます。 ここではネットではGCMSレポートは出していないのですが、個別に問い合わせると、直近でテストしたものは見せてくれます。 アンフルラージュはスモールビジネスなので、ロットごとの分析までの予算はないとのこと。ですが、ジョーさんやそのアシスタントの方は知識が豊富で、何でも質問に答えてくれます。私はこれまで使ってきて信頼できる購入先としていつも利用しています。 StillPoint Aromatics ここはアメリカのパワースポットの地で知られるセドナにあるアロマショップ。先ほども出てきました私の最も尊敬するアロマ講師のJade Shutesさんのクラスを取った時に勧められて以来、お気に入りの一つで頻繁に利用しています。 精油以外にも、ハイドロゾルやキャリアオイルも取り揃えており、私はいつも使っているお店にない時は、ここのハイドロゾルを購入したりしています。 以前購入したカレンデュラハイドロゾルの、ほんのりスイートでフローラルな香りはとても印象的でした。 小さい会社で予算の関係上定、成分分析は毎回ではないそうですが定期的に行っていて、その結果はショップサイト内で見られます。 ここでもアロマのオンライン資格コースを行っているのですが、何より魅力的なのは、実際のセドナ現地で行っている8日間のアロマリトリートとか、蒸留体験コースなんかもあり、ぜひいつか私も受けてみたい!と思うものばかりです。 一度オーダーに間違いがあった時や、質問があって電話した時も、親切に対応して下さりました。 精油の種類もとても多いのですが、小さいショップなので時々売り切れが頻発することもありますが、それだけ品質にはこだわっている会社です。 FROLACOPEIA ちょっと読み方は難しいけれども、とてもお勧めの精油会社の一つです。 ここのオーナーはDavid Crowさん。アメリカのハ―バリズム界では有名な方で、アロマ、ハーブ、鍼の30年以上の経験を持つベテランです。 このショップを知ったきっかけが、確かNAHA主催の講義だったと記憶しているのですが、オンラインのイベントでスピーカーとしてDavidさんが講義されていたことでした。ハ―バリズム初心者でも分かりやすくて、論理的に優しい話し方をされる方で、私がメディカルハーブに興味を持ったきっかけでもあります。 その後Jadeさんともつながりがある事を知って、ますます信頼が沸くなと思った先生です。 このショップは精油の種類は少ないのですが、高品質なフラワーエッセンスも置いています。 各精油の下の欄に成分表もついていますし、何よりデータシートや先生のお勧めの使い方、動画もあったりと、とてもアロマが好きな方が経営してるんだなーって分かります。 ここでもいくつかの種類を購入しているのですが、ここのローズゼラニウムがバラのようにフローラルで美しい香りに衝撃だったのは今でも覚えています^^ 品質のこだわりが強い先生なので、ちょっとお値段は高めに設定されていますが、とてもお勧めです。 Desrosiers International ここは知っている方は少ないと思いますし、かなりマイナーなショップなのですが、私の中で隠れトップのアロマショップなんですね^^ ここを知ったきっかけはアロマ界の化学者、ロバートパパス氏の紹介でした。彼が抽出に携わっている精油の販売先としていくつかの精油会社があるのですが、ここはその一つなんですね。 なので品質はもちろん、成分分析もパパス氏のラボで行っているので安心のお墨付き。ここのショップではマイナーな精油も購入できるので、アロマオタクにはぜひ使ってほしいお店。 私が利用している一番の目的は高品質なCBDオイル。パパス氏がカナビスの植物の栽培状況も把握しているのもあり、他で買うよりも断然安心で良いです。 そして、パパス氏がおすすめの高品質なフランキンセンス製品やブレンドオイルも置いてあるので、パパスファンにはお勧めのショップです。 初心者は気を付けて!セラピストなら使わないショップ これは意外かもしれないのですが、身近にも品質の悪い精油は多々あります。ここでは初心者の方には特に気を付けてほしい購入先を紹介します。 ① Amazon ② Ebay ③ Whole Foods Marketなどのナチュラルマーケット 大規模なオンラインサイトが良くないわけ 数年前ロバートパパスがアマゾンの悪質な精油ブランドを暴露する企画をやっていたのですが、アマゾンやEbayは、不特定多数の人が自分のオリジナル製品から要らなくなった中古品まで、幅広く売買されていますよね。中には他で購入した精油を売っている事もあります。 特に気を付けたい要素は主に2つで、 ブランドそのものが悪質なアロマである場合 セカンドハンドで古い精油を売っている場合 があります。ブランドそのものが悪質かどうかは、先ほど紹介した手順で調べてほしいのですが、(アメリカアマゾンの偽和アロマブランドの記事はこちら)問題は2つ目です。 これは、出品者がどこかのセール品で価格の下がった精油を買い、それをオンラインで正規の価格同様で販売したり、買ってみたけど香りが嫌いで、キャップを開けたにもかかわらず、キャップの部分を新品に替えたりなどしてオンラインショップに流したりする手口はよくあります。 これらの何が悪いかという事ですが、もともとの品質は良くても、酸化した古い精油であるため、品質が劣化し、場合によっては使用した時に肌刺激などの副作用が起こりやすいのです。 私は基本、自分の好きなアロマショップでも、セール品のアロマは買いません。なぜならその製品がセールになっているのは売れ残りだからです。 ですので、この手のオンラインショップは、中には高品質なものもありますが、見分ける力を付けてから利用するようにしましょう。 ナチュラルマーケットは必ずしも高品質ではない Whole Foods Marketはアメリカ在住なら一度は訪れたことのある、オーガニックの食材が買えるナチュラルマーケットですね。私も大好きで月一で買い物はしていますが、残念ながらこういったナチュラルマーケットにある全ての商品が品質が良いとは限りません。 Whole Foods Marketには日用品のセクションがあって、たいていそこに精油が置いてあるのですが、例えばNowやAura Caciaなどのブランドとか、明らかに安すぎる安価な精油もちらほら。 中にはいつから置いてあるのだろう?と思うくらい、毎回行く度に同じものがずっと同じ場所に置いてあったり、場合によってはホコリが被っているものまであるんですよね^^; 明らかに売れてないでしょう?と分かるものもたくさん見てきました。 ですので、こういったマーケットに並ぶ精油場合、品質の良くないブランドの心配もありますし、精油そのものが酸化している可能性はとても高いです。精油をお店で買う場合は、精油の専門店で購入しましょう。 まとめ いかがだったでしょうか?今回出てきていないブランドでも良いものはまだありますが、逆に、本当に要注意な理由があってここには載せていない、アメリカでは超有名なオンラインブランドもあります。せっかくアロマを楽しむのだったら、多少お財布には響きますが、品質の良い安全なものを選びましょう。まだまだアメリカのアロマ界のことで紹介したいことが山のようにあります!次回も楽しみにしていて下さいね。

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アロマ界 研究・文献

2021/7/23

米国アロマセラピストがアロマセラピーのエビデンスについて解説!

今日はアロマセラピーのエビデンスについて、ティスランドインスティチュートのタマラPhDの記述を参考にしながら紹介するよ。 アロマセラピストの私たちが精油の効果を調べるにあたり、証拠となるものを探そうとしたとき、それがどの程度の根拠のある事なのか、場合によっては判断が難しいことも多いと思います。そんな中で医療機関や科学者等の専門家が行うクリニカルスタディーは、アロマセラピストにとっては大きな証拠とも思えます。 しかしながら、そういった研究では証明されていないものでも、実際にこれまで精油を使ってきたセラピストやプラクティショナーの実践データとして、言い伝えられている効果効能というものも存在します。 今日はアロマセラピーのエビデンスとなるものにはどんなものがあるのか、そして私たちセラピストがそれらとどう向き合うべきなのか、そんな話をしたいと思います。 記事でお話すること 1, アロマセラピーのエビデンスの種類と特徴 ・アロマセラピーで最も多いエビデンスは? ・クリニカルスタディーによる科学的根拠とは 2, 逸話的エビデンスと科学的エビデンスの是非 ・逸話的エビデンスの特徴 ・科学的エビデンスの落とし穴 3, アロマセラピストがこれらのエビデンスをどう取り入れるか? ・その根拠がどこから来ているのかを明確にすることが大切 4, まとめ アロマセラピーのエビデンスの種類と特徴 アロマセラピーのエビデンスには大きく分けて2種類存在します。 ① 臨床実験によるエビデンス(clinical research evidence) ② 逸話が基となるエビデンス (anecdotal evidence) ①は何かしらの臨床実験を経て出された結果を基にした証拠です。要は、各専門家が行っている人間が実験対象物の試験です。 ②はそれ以外、と括って良いかと思います。科学者等が動物などの物体を使い実験室で行う実験だったり、アロマセラピストやプラクティショナーがこれまで実際にクライアントに行い、個々に積み上げてきたデータはこれに該当します。 User:CFCFderivarive work: タバコはマーダー - http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Research_design_and_evidence.svg, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=49108230による 上記の図がWikipediaから引用したエビデンスの強さをを記したヒエラルキーです。これが上に行けば行くほど、その証拠として認められる力が強くなります。 アロマセラピーで最も多いエビデンスは逸話的エビデンス ここで注目したいのが、一番下の動物実験やラボでの実験のところです。これは一般的に私たちアロマセラピストが探す文献に最も多いものではないでしょうか。 私としては、実験室だろうと動物だろうと、そこでプラスの結果が出ることは、アロマの可能性が広がる気がしてとても嬉しかったのですが、実際は科学的視点から見るとそれらはヒエラルキーの最下位に位置するのですね。 ドテラ社でも自社ラボを設立したり分析所と提携して、毎年素晴らしいリサーチを出していますが、それらもここの部類です。 そしてその上にあるのが、いわゆる非専門的な実験や実践で、私たちアロマセラピストが行うアロマカウンセリングでのレポートや、その他個々の体験による記述や口頭での結果報告はここに該当します。 これらがいわゆるAnecdotal Evidenceといって逸話的なエビデンスとされるのです。アメリカのアロマ界で活動する方なら、一度はEvidence based practiceなんて言葉は聞いたことがあると思います。しかし、それらのエビデンスの多くはこの逸話的エビデンスなのです。 アロマセラピーなどの代替医療が医療業界から信頼されない一番の理由はここだと思う。 クリニカルスタディーによる科学的根拠とは 下から3つ目からは臨床研究となり、一次研究の部類に入ります。その中でも症例対象研究とコホート研究は観察的研究と呼ばれ、前者はこれまでの経過を基に症例の研究をするのに対し、後者は未来に症状が起こることを推定して経過観察する試験です。これらはいわゆる治験などが該当しますよね。 あとは、以前アロマが有名になったきっかけになった放送で、アルツハイマー認知症の患者に対する実験もありましたが、これは症例対象研究ですね。まぁ、私たちアロマセラピストが見られる研究結果はこの辺りまでかなと。それ以降にいくとなかなか一般の私たちでは手に入らなかったり、解読にもそれなりに専門的な知識を要しますので、見ても理解できないという結果になるかもしれません。 メータ分析なんかは、メンタリストDaiGoさんの論文解説ではよく聞く単語ですが、これはこれまでの臨床結果を基に統計を取ったり、様々な角度から分析する研究です。こういった研究結果は、少なくとも素人がネットで探し出すことは難しいことや、アロマ界ではなかなか難しいレベルのものです。ないわけではないんですが、少ないです。理由はこのあと説明します。 逸話的エビデンスと科学的エビデンスの是非 アロマ界に存在する逸話的エビデンスですが、ここをもう少し深ぼって特徴を見ていきましょう。 逸話的エビデンスの特徴 逸話的エビデンスは一般素人が行いそれを文章や口頭で結果を報告する手のタイプですので、当然様々な要素が確実性を邪魔することもあります。その要素は大きく分けるとこの2つです。 ●観察期間の詳細 ●個人のバイアスの影響 例えば、ある人が腰痛にウィンターグリーンの精油を毎日患部に塗って、2週間で改善したと報告したとします。しかしこれだけでは、ウィンターグリーンが腰痛に効果があった根拠としては不十分な要素が大きすぎます。 例えば、その人が治療の間に、針灸や整体にも通っていたとか、市販の痛み止めを飲んでいた、ピラティスやストレッチを行っていたとかがあれば、相乗効果がもたらされたことも考えられますし、精油だけが改善要因ではない可能性がありますよね。あとは他の症状で飲んでいた薬が実は痛み止めにも効果があったなんてこともあります。 場合によっては生活習慣を変えてウォーキングや瞑想などを同時期に取り入れ始めていて、ストレス因子が軽減することによって鎮痛作用をもたらした可能性もあります。 更にその人の食事やサプリメントなどの食生活、ライフスタイル、記憶違い、バイアス、などの影響で結果は変わってくるものです。バイアスの種類には、認知・確証・後知恵の3種類ほどありますが、その中でも認知バイアスと確証バイアスは特に大きいのかなと思います。 認知バイアスはこれはこうであるといったように、既に知っている知識から思い込みがある場合。確証バイアスは都合の良い情報ばかり集めてしまう場合です。 この場合考えられるのは、ウィンターグリーン=痛み止めに良いとされる、という認知バイアスや、自分にとってアロマセラピーは最も効果がある代替医療だと考えがある場合、やはりそれを支持するような可能性が出れば、そこだけを切り取って主張する確証バイアスは、私も含めてどのセラピストにもある事とと思います。 といった感じで、逸話的エビデンスは確実性は乏しいものではあります。 科学的エビデンスの落とし穴 では、科学的根拠なら確実性もあり信用していいのか?と言えば、そうでもなかったりもします。素人的には、逸話的なエビデンスとは違い一見完璧な証拠ともいえる科学的なエビデンスですが、文献を読む際にいくつか注意点があります。 ① 試験や被験者数が薬物医学治験などと比べて圧倒的に少ないこと ② 逸話的根拠では多くの効果が見られたが臨床試験で結果が出なかったものは、実際に効果がないと結論づけられてしまうこと 分かりにくいので一つづつ解説すると、1つ目は、アロマセラピーの臨床試験はこれまでも多くなされていますが、とはいえ試験数や試験に参加した人の人数というのは、薬物治験と比べれば比較にならないほど少ないものです。 この理由には政治的な部分が入ってくるようにも思いますが、薬物治験の場合、国からの資金的援助が受けられることも多いです。特に今回のコロナウイルスのワクチン開発では、トランプ大統領がアメリカのバイオテック企業に経済援助をしたことは記憶に新しい情報ですよね。 しかし、薬物と比べて不確実性の高い代替医療に国が援助することはなく、資金面的に大規模な臨床試験を行うことは不可能に近いのです。ですので、必ずしも科学的エビデンスとして提示されている文献のデータが正しいかというと、そうではない可能性があるという事です。 そして2つ目ですが、一般認識として、多くの人はこのヒエラルキーの上部=絶対正しいと信じます。代替医療のアンチである専門家たちは、例え100個の逸話的エビデンスを提示しても、1つの科学的エビデンスを信じることでしょう。 このティスランドインスティチュートのタマラ氏の記述によれば、最近のオーストラリアのフォーカスグループの調査で、がん患者が症状の緩和(鬱、痛み、吐き気などを和らげること)に代替医療を使わない理由が、この科学的エビデンスが少ないことが原因であると主張しています。 しかし、アロマセラピーやマッサージだけを取っても、実際に鬱改善や鎮痛、吐き気やダルさの緩和には、多くの逸話的エビデンスが存在しますよね。 アロマセラピストがこれらのエビデンスをどう取り入れるか? 当然これらエビデンスをどう使用するかは、個々のセラピストの思考に基づくものですし、私がどうこう言う部分ではありません。そしてほとんどの場合、施術中やクラス中に、クライアントからこの精油の〜効果のエビデンスを提供してください、なんて露骨に聞かれたことはあまりないように思います。 ですが、セラピストとして今後、"このエビデンスはなんなんだろう?” というところを意識することは、これからアロマセラピーを多くの人に信用してもらうために大切なのかもしれません。 その根拠がどこから来ているのかを明確にすることが大切 私としては、これらエビデンスを自分の体験談と照らし合わせて、トリートメントプランを決定する際の材料とするようにしています。クライアントに使用する場合も、特定の精油とその使用方法を取るときは、それらがどういった根拠に基づいているかを、もし聞かれた場合に備えて説明できるようにしています。 私は、例えそれが自分の一個人の経験談だったとしても、他人の経験による逸話的エビデンスだったとしても、積極的にインプットするようにしています。その理由は先ほど説明した通り、アロマはお薬と違って臨床実験の研究よりも、圧倒的に個人の体験談の存在が多いからです。 場合によっては、よくよく考えてみると、この精油のこの効果って、どこからきているんだっけ?なんて記憶を遡り、文献を探し出しても見つからない、なんてこともあります。 ですが、それならその時点の根拠で良いのです。例えば、私が~先生のクラスを取った時のこの話によると、こういう効果があり、実際自分が使ってみたときはこうでした、のような感じで説明できれば、私は十分だと思います^^ もちろんこれから先、より詳しい臨床試験や研究がどんどん出てきてほしいとは思っていますけどもね。 まとめ アロマ界で既に存在しているエビデンス全体を見れば、まだまだ世間から信頼度は低いのかもしれませんが、これらは今後十分に改善できる余地があると思っています。 アメリカにも日本にもたくさんの素晴らしいセラピストがいます。中には既に医療従事者がアロマに興味を持って、ブログやYoutubeで発信して下さってる方も最近ではよく見られるように思います。そういった方々を筆頭に、セラピストやプラクティショナーもアロマのエビデンスを明確に伝え、そしてそれらに基づき実践し、今後更にアロマの良さを広く知ってもらいたいですね。 参考文献 本日の参考文献はティスランドインスティチュートのタマラ氏のブログを参考にしております。 ●https://tisserandinstitute.org/the-case-for-an-evidence-based-aromatherapy-practice/

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